見下ろす者たち

 ISSの中から地上を見下ろす。宇宙飛行士になろうと思ったきっかけは君だった。天文部で一緒にISSを見上げていたっけ。宇宙飛行士になる、と断言する君は眩しかった。そんな君に無重力の僕はいつになく近い。優秀すぎた君は、僕の恋も、僕がいつしか殺意を抱いていたことも最後まで気づいていなかった。

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