想いを伝える幽霊

私が死んでからもう一週間が経った。

家族は『火葬しよう』と言ってたけど、机の中に入れていた遺書で、土葬にちゃんと決まった。


葬式まであと数日。

悠くんに想いを伝えるためにどうやって伝えるかを考えとかなきゃ!

でもなぁ…どうやって伝えよう?




時は過ぎて葬式の日。

私の親戚がたくさん集まっていた。

その中には悠くんの姿もあった。

ゆーうーくん!

やっぱり悠くんに「好きです」という一言を言えなかったのが未練なのかな…?

そういえば「好きです」だけじゃなんかインパクトが足りないよね……

本当だったら悠くんとするはずだったから…?

そうね!結婚を前提に言えばいいんだ!



そんなことを考えていたらいつの間にか私の身体は土の中に埋められていた。

あ、お母さんが大泣きしている。

そりゃあそうか。

だって大切に育ててくれた子がトラックにはねられて死んでしまったもの。

でも、泣いてくれているということは私はちゃんと愛を受けながら育てられてきたんだと改めて教えてくれた。

「お母さん、今まで育ててくれてありがとう。」

それを言わずにはいられなかった。


夜になって悠くんがベットに入ったのを見計らって私はした。


『うわぁ!?綾ちゃん!?』


ふふっ!サプライズ成功ね!

おっと…本当の目的を忘れるとこだったわ。


「悠くん久しぶり……かな?」


『久しぶりじゃないだろ。ずっと後ろ憑けてきただろ』


「え?知ってたの?」


『言っていなかったが俺は幽霊が見えるからな』


「そうなの!?」

急に幽霊が見える宣言されたのに驚かない人はいないだろう。

ま、私は幽霊だけどびっくりしたけど。


『声も聞こえてくるからさっきのもあまりビビらなかったが?』


「じゃあ、今までの反応は…‥?」


『そんなもの演技に決まっているだろ。それよりしたんだったら早く用事を言えよ』


「そうだったね。……悠くん」


『なんだ?』

ニヤニヤしながらこっちを見てくる悠くん。

内容を知っていますっていう顔をしている……


「悠くん!好きです!大好きです!本当だったら大学を卒業して、結婚して、悠くんの子供を作りたかったけどトラックにはねられて死んでしまった。悠くん、こんなバカな私と一緒にいてくれてありがとう。大好きだよ!悠くん!」


『プロポーズの最中に悪いんだが…いつから好きだったんだ?』


「そりゃあ、幼稚園のころからだけど?」


『マジか……』


「それで答えは…?」

と言った瞬間に私の体はまた透けた。

実体化が解けちゃたんだ。


『あれ?…やっぱり実体化している時間は短かったか……』


「ごめんね?また一年後会おう!」

と言った私の体は悠くんの前から消えた。










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