夢の中のミステリー

こうよう

プロローグ

早くこっちにきて…

この言葉で目が目覚めた。

その声は一人の女の子の言葉だった。

その女の子は一つの赤いドアの前にいた。


あれから何年経ったのだろうか。

僕——山内拓也は薄汚れた天井を見ながら思った。

人は誰でも夢をみると思う。

学校にいる夢、ご飯を食べる夢、誰かに追いかけられる夢。

たくさんの夢をみる。

だけど、僕がみる夢は変わってる。

毎日毎日、僕は一つのドアの前で立っている。

そのドアの奥には一つ一つ世界がある。

毎日、僕は毎回違うドアを開けて、その世界に入っていく。

なぜこんな夢をみるか自分でもわからない。


いつかはこの夢が終わる時が来るかもしれない。


その時まで僕は待っている…



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