中学生の伊勢さん?!

ヤッキムン

第1話

中2の時は沖縄に住んでた。中3でも沖縄にまだいるもんだと思ってたら、大阪の中学に転校することになった。両親は沖縄でまだ仕事を続けてたんだけど、自分は高校受験を落ち着いてやれるようにと、大阪の祖父母の家に行って、そこから中学に通うようにとの、両親の意向で。自分としては、沖縄の工芸科のある高校に行って、伝統工芸を学び、沖縄の芸術大学にでも進学したいなあと思っていたんだけど...

大阪の祖父母の家は、自分のちっちゃい頃から、夏休みに何度か遊びに行ってた場所だったから、全く知らない土地ではなかった。おじいちゃまが庭をきれいに手入れしてて、梅の木やビワの木なども植えられてて、池にはたくさんの見事な鯉も泳いでいる。芝生も庭中にきれいに植えられてて、庭でバーベキューをする設備も備え付けられてる。

中3になる前の春休みに、この祖父母の家にやって来た。近くの中学に転校して通うために。最初、玄関を入って、あいさつして、2Fに自分用の勉強部屋を用意してくれてたから、見てみようと階段を2、3段登ったら、2Fのほうに、何か霊のような存在を感じた。今まで、わりと静かな家だったのに、中3になる自分が入って来たから、驚いた感じだった。

一気に階段を登り、自分の部屋に入ってみたら、やはり部屋の中に、何かの霊のいることを感じた。入った時に、なんとなく、ちっちゃな可愛らしいお人形の存在をいくつか感じたんだけど、実際には、部屋にはお人形など、ひとつも置かれてなかった。前まで置いてあったのを、自分が来るから片付けたのかなあ~って思った。一応、新しくこの部屋でお世話になるため、自分の来る前からずっと、この部屋に住んでたのかもしれない霊のお方に向かって、「よろしくお願いします」と、あいさつをしておいた。

家では、毎日、祖父母がお経をあげてて、家全体を守ってくれてはる霊の存在を強く感じていた。ある日、ほんの少しだけ、祖父母の悪口を思った時があって、その晩、寝てたら、枕元に数人の武者の霊が現れて、びっくりして「ごめんなさい」って速攻謝ったら、すぐ自分の部屋から出て階段を降りて、1Fの祖父母の部屋に戻って行かはった。中3ていう大事な時期にめっちゃお世話になってる祖父母に対して悪く思うもんじゃないんやなって思って、それ以来、1度も悪く思ったりしていない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る