第2話 いつも通り昼寝した

で、今に到るわけ。

今日に限ってめちゃくちゃ美味しそうな弁当に仕上がってしまった。

いっそのこと菜箸でぐちゃぐちゃにしてやろうかと思ったけど、彼の起きてくる音が聞こえてギリやめられた。


「おはよぉー」

「おはよう」

いつも通り雑草みたいな寝癖で起きてきたようだ。

私は1度洗面所に行き、顔から殺気が漂ってないかの確認と笑顔の練習をしてから彼の元に戻った。

「朝ごはんなに?」

「そこのパン焼いといて。その間にベーコンエッグ作るから。」

いつも通り。いつも通り。

いつも通りベーコンエッグ作って。いつも通り見送って。いつも通りダラダラ主婦業こなして(いやこれは最近からか)いつも通りの「ただいま」を言って。いつも通りの「おやすみ」を言った。*


「こんな感じかな。」

男はそうつぶやくと大きく欠伸をした。

それから腰をバキバキバキっと鳴らす。長時間作業した時はもはやそれがクセとなっていた。

ブログを更新してから閉じて、ソファーに横になった。

気づけば男は寝息をたてていた。

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