第3話ゲーム再開

【ゲーム再開】

とうとう試験の日、何事もなく普通に乗り切った。

試験も大きな失敗もせず、当日速報の模範解答と答え合わせをした結果はOK、これで一安心。

これからまたゲームを再開、できれば高校入学までにレベル90へ向かってさっそくログイン。

ゲームに入ってみると、12神将は9名になっていた。おまけに最高レベルが97に、2位が95、3位94が2人、他にもレベルが上がっているプレイヤーが何人かいた。

俺は、一休みする直前の84のまま、他のプレイヤーのレベルも気になるが、上位20までのプレイヤーは公表されているから、すぐにわかるけれど、それ以外のプレイヤーのレベルはフレンドになるかパーティーを組むか、クランに所属しない限りわからない。

ただ、いつのまにか上位10位から20位にはレベル88、87、86が存在していて、俺は84で21位だから、ずいぶん引き離された感じ。

上位のレベルが上がっていたのがちょっとショックで落ち込んだけど、受験も終わり、高校の入学式まではお休みだから、時間があればゲームに入ってガンガンレベル上げをする事にした。

ゲームに入ってすぐ、フレンドからチャットが入って

『久しぶりだね、ちょっとお休みって言ってきてから、たまにしか見かけなかったけど 受験終わった?』

『ああ、解答速報で答え合わせしたら、なんとか合格できそうだから、今日から、ガンガンレベル上げしようと思うんだ』

『そっか、じゃあ、また一緒にやる?』

『いいの?』

『いいよ』

『ありがとう』

『パーティー、ふっかーつ!』

このフレンドはいつのまにかレベルが88になっていて、もう少しで90に届きそうにもかかわらず俺と組んでくれる。

登録ネームは「タカ」、

10位「タカ」レベル88。

俺はフレンド登録し一緒に活動するようになり仲良くなった頃『皆は僕を「タカ」と呼ぶから、「ゆう」と呼んでくれると、すぐにかっくんだとわかるから、「ゆう」とよんでほしい』と言われてから『ゆう』と呼んでいる。

おそらく本名は「ゆうじ」とか「ゆうすけ」みたいな名前なのだろう

男のくせにすごくやさしい奴なんだ、こいつはいつも俺をフォローしてくれ、俺もこいつをフォローするけど、戦っているときなんか練習もしたことがないのに、阿吽の呼吸というか絶妙な連携プレイができる、俺にとって最高に相性が良い相棒。

ソロだと戦えばレベルはどんどん上がる。

その替わり深い階層になるほど、なかなか攻略できない。

2人だとソロの時もレベルが上がるのがその半分近いが階層の攻略は速いから、その方がレベルアップが早くして確実なんだけど、俺よりレベルが高いフレンドには申し訳ないと持っている。

こいつの男気?こんな俺に付き合ってくれるほんとにいい奴。

何度も言うけど、こいつとの連携は抜群に相性が良いというか、こいつと組んでからの成功率は100%だから俺にとってはうれしいお誘いだ。

たいていは4人から5人でパーティーを組んで、ダンジョンを攻略していくのが普通なんだけど、俺1人での攻略が難しくなって来た頃から、こいつと組むようになり、特に難しい局面の時、2人だけで攻略するようになった。

ゲーム内のダンジョンは3つ、初心者向け、中級者向け、上級者向けに分かれている。

レベルが70を超えると中級者向けダンジョンに入ってモンスターを倒してもレベルは上がらないけど、ゲーム内貨幣ビットは稼げるのでほしい武具や道具があるときは、こっちのダンジョンに入ってビットを稼ぐ

今回の目的はレベル上げ、だから、まずはいつものように中級ダンジョンでビットを稼ぎ、投擲ナイフ、予備ナイフ、ポーション、移転スクロールなどの消耗品を購入してから上級ダンジョンに。

いつものように俺が前衛、フレンドが後衛

俺は一応上級職アサシンクロスで電撃魔法が使える。

フレンドは同じく最上級のウィザードで弓も使えるのでこの体制に、フレンドはヒールも使えるけど、大怪我をした時は無理、プリーストがいれば助かるけど、そこまで贅沢は言っていられないから多種多量のポーションをしこたま買い込んでダンジョンに入り、危ないときは無理をせず移転スクロールでさっさと逃げるのが俺達のやり方。

いつものようにどんどん下の階層に、俺は約8か月前フレンドと14階層を攻略中に休んでしまい、その期間フレンドは別のパーティーに入って18階層を攻略し、現在19階層を攻略中らしくそこで足止めをくらっているらしい。

『僕は18階層まで攻略済だから、かっくんが、がんがん行ってもちゃんとフォローできるから安心して』

『ありがとう』

俺は14階層は攻略済なので、入口にある移転部屋から15階層の入り口まで移転できる。

当然フレンドは18階層まで行けるけど今回は俺に付き合う形で2人一緒に15階層入口に移転。

この8か月は息抜きに14階層ばかり行っていたから、14階層は慣れているけれど、ここから先は去年の春以来久しぶり、あの時の感覚で行けるかちょっと不安だったけど、フレンドがいるから何かあれば頼ろう。

『うわ~久しぶり、大丈夫かな~』

ナイト(タンク)がいないので、こちらからモンスター向かって突っ込んでいき、ひたすらモンスターの攻撃を回避しながら相手を切りつけ、弱ってきたところで 急所を突いて電撃を流して相手を倒すのが俺スタイル。

だから、特注の俺専用の胡蝶双刀タイプの小刀2本を背中腰後ろにクロスで装着、その外に鉈、胸にこれも特注戦闘用コンバットナイフ、投擲用の小型ナイフを数本。

石ころによる投擲も得意だが、それも中級ダンジョンでは有効だが上級では目くらまし程度しか効果がないため、フレンドにエンチャントをかけてもらった投擲用のナイフを数本用意している。

フレンドとパーティを組んでからは最後のとどめはフレンドの魔法に頼る事が多いので、俺が最初モンスターの数を減らすか、どれだけ相手を弱らせることができるかで極力フレンドの魔法を最小限にとどめ、魔力切れを起こさないよう努めている。

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