Honan High School 2nd Season

第16話 新学期の号外

あお「よく寝たーっ」

たく「もう飯はできてるぞ」

あお「ぎゅー♡」

たく「もう朝6時45分だから即食べていくぞ」

あい「きゅぴー!」

あお「あいちゃん!」

たく「愛央よりあいちゃんの方が早く起きてるじゃねぇかよ」

あお「えへへっ」


うちは笑っちゃった。いつものことかと思いながらね!


いつものように琴乃本社前7時34分発、大野駅経由方南高校行で学校に行くってたっくんが言うと、たっくんはいきなり財布の中を漁った。どうしたのかな?何か探し物かな?


あお「どうしたの?いきなり財布漁って」

たく「定期」

あお「定期?」

たく「あった。えーと・・・」


たっくんは黙り込んで定期とにらめっこ。数秒後、衝撃の事実を知ることに。


あお「どうしたのよもう」

たく「おいやべぇ・・・」

あお「え?なに?」

たく「定期の有効期限、切れてる」

あお「は!?うそ!?」

たく「有効期限昨日までだ」

あお「まじ!?」

たく「ほれ」

あい「きゅぴ?」

たく「ほい、あいちゃんもみる?」

あい「あーちょ。ほんとだー、つかえない」

たく「しゃあねぇ今日は自腹すっか」


そう言ってたっくんは階段を駆け下り、バス停まで向かった。ブレザーおっぽり出すかーって言ってたくせに、ブレザーを持っている感じではなかったの。


たく「さーいくぞー」

あお「たっくんブレザーは?」

たく「腰に巻いてるじゃんよ」

あお「あれ?」

あい「ねーねー、こえ」

たく「あいちゃんが気づいたのは大したもんだなー」

あお「見えなかった」

たく「さーてとーいっくかー」


高校に着くと、うちはチア部の朝練に行ったの。今日から新しいユニフォームとポンポンを使うから、それをもらうだけ。そしてその後の全校集会で、こんな話をされた。


校長「本校は、今年度末で全日制ではなくなります。来年からは通信制として、教育活動をしていくことになりました」

たく「は?」

あお「え?」

たく「うぉぉいまじか」


たっくんも驚くくらいの号外。曰く明日の地方紙やテレビに全部載るって。教室に帰ってくると、なんとたっくんがテレビの取材を受けてた。


あい「たったーは?」

あお「たったー?あれ?たっくんどこ?」

たく「はい、はい。えぇそうなんですよ。そらー驚きましたね」

記者「琴乃さんはどう言ったところで驚いたのでしょうか?」

たく「いやぁね、なんの前触れもなくいきなり学校が通信になるってもんですから、そら誰もが驚くでしょうねー。でも自分は妹が2人いるんですけど2人の世話をしながら時間を見つけて学校生活ができるので、ありがたいと言えばありがたいんですけどね」

あい「たったーなんかしゅごいこといってる」

ああ「それな。たっくんありがと」


そして家に帰ってくると、机の上にはタブレットが2台。あれ?これたっくんのかな?


あお「たっくーん」

たく「あー?あにしたー?」

あお「このタブレット、たっくんの?」

たく「俺のタブレットはパソコン横に置いてあんべさ」

ああ「じゃあこの2台誰のだろう・・・」

たく「もしかして授業用じゃね?」

あお「あっ、たしかに」

たく「愛央はチア部の練習用に名前と同じ色だし、俺は空手の帯と同じ黒だ」

あい「たったー、あしょびたい!」

たく「ちょっとまってな・・・」


たっくんはそう言って携帯だけ持ってどこかに行っちゃった。うちはあいちゃんに小さいポンポンを持たせて、2人でチアリーダーごっこなるものをしてた!


あい「きゅーぴ!きゅーぴぃ!」

あお「お姉ちゃんのこと応援してくれるの?」

あい「あい!」

あお「よーしっ、お姉ちゃんもあいちゃんのこと応援してあげる!」

あい「きゅぴー!」


数分後に帰ってきたたっくんはすごい荷物。なんと買い物に行ったんだって!しかも3000円。すごい・・・。


あお「どうしたのそれ!?」

たく「晩酌宴会。仕込まねば」

あお「居酒屋だっぺ仕込みって・・・」

たく「そらしたがねぇよ。おら今居酒屋のキッチンだもん」

あお「わっ、すごい。そんなに働いてるの?」

たく「まぁな・・・」


たっくんはそのまま仕込みを始めちゃった。すごいと思いながら、大丈夫かなって不安になる。でも・・・頑張れっ。たっくみ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る