140字小説 『ぶとうかい』

「武闘会?」

――今の私の身なりは?

動きにくいヒールの靴。床に着くぐらい長い丈のドレスである。

「じ……冗談じゃありませんわァ!?」

「姫、如何されましたか!?」

「わたくし、着替えて参りまァす!」

そう言って姫は裾を持ちながら優雅とは程遠い。

――綺麗な姿勢での走りを見せた。

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