第3話 凄惨な光景

「よしガド、お前が現地へ行って見てこい!」


「はーー、ババア何をいってやーがる。だれが、あんな恐ろしいところへいくかー!」


「きさまーー、ばばあとはなんだーーー!! おばあ様と呼べーーーーー ほい!!」







「なんだーーー、ここはーーーー!! ばあさんやってくれたなーー!!」


おれは崩れ落ちたビルの屋上にいる。

直ぐに体を低くして壁の影に隠れた。

周囲は、瓦礫の山だ、大都会のまっただ中なのだろう。

崩れた建物の中から多くの助けを呼ぶ声がする。

その声の方へ、大勢の鎧の男が近づく。


「スライムは俺たち勇者の経験値となれ!!」


助けを呼ぶ人を剣で次々突き刺した。

男も、女も、老人も、そして子供まで。

くそーー、なんてことをしやーがる。


俺の今いるところの、右斜め前方に割れ目がある。

割れ目って、言い方が卑猥だね、言い方を変えてみよう。

空気中にひびの入った亀裂があり、亀裂は丁度人が出入りできる大きさぐらいある。

割れ目の奥は、真っ暗で何も見えない。


し、しまったー割れ目って言ってしまったーー。

まっ、いいか。


横を見ると厚さはまるで無い。

後ろから見たら何も見えない。

こんな変なものあり得ない。


この割れ目から、鎧を着た勇者がゾロゾロ出てくる。


「ちょーまてよーー!」


ここは敵の本拠地じゃねーか。

ゲームなら名前を登録して、いきなり最終ボスの前みたいなもんだろー。

取りあえず、ここから逃げなくてはいけない。

どうやって逃げるのかだ。


「ガド、お前には、ちょっと大きめの防御魔法と、身体強化魔法をかけてやったぞ」


俺の目線の先にフィギュアの様な、まながいた。

セーラー服姿のまなは、この位置関係だと、スカートの中が丸見えだ。

でも、どうせ見るなら美人の方がいい。


「なあ、ばあさん。今やってる小さくなる魔法をあいは使えねえのかなー」


「あいは天才じゃ、出来るはずじゃのー」


「じゃあ変わってくれ」


「うむ、いいじゃろう」


「ガド、なんで私を呼ぶのよーー」


「あい、お前までガド言うんじゃねーー」


まあいいか、では、ゆっくりお前のはずかしい姿を見てやる。

下からじっくりね。

まずは、つま先、なーーーーーー。

こいつーー。

ジャージ着てやーがる。

くっそ!


ふむ、究極の選択だ、美人のジャージ姿か、ブスのパンチラか。


「なあ、あい、もう一回ばあさんに変わってくれ」


おれはパンチラを選択した。

男の子ですから。


「なーーーー!!」


「なにを驚いておる。おまえは何がしたいのじゃ」


ばあさんまでジャージに着替えてやーがる。


「ガドの考えなんてお見通しなんだからー」


あいがあかんべーをしている。


「お、お前ら二人ともいたのかよー」


「そうじゃ、これからも時々、姿を消して近くでおまえの様子を見るからな。あんまりエッチなことをしてはいかんぞ」


「ちょっとまて、姿を消すだってーー。究極魔法じゃねーか。俺に教えてくれ」


「駄目ですよおばあさん、ろくな事に使いませんから」

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