宇宙

ヨーロッパ宇宙機関ESAが4月14日、木星に接近して観測する為の探査機を積んだロケット『アリアン5』打ち上げに成功しました。


アリアン5に積まれた宇宙探査衛機JUICEはこれから2035年までの長い時間をかけて、木星を回る衛星のエウロパ、ガニメデ、カリストを観測して、生命の可能性を探るのです。


……というニュースを見て、思いつきました。

そうだ、エウロパにも人類がいるんだ。

あの暑い氷の下には、既に地球より高度な文明があって、地球人と同じ姿をした人類が暮らしているんだ。


宇宙探査衛星が生命を見つけにいったはずが、むしろ見つかったのは地球の方で、実は地球は宇宙の中では地図に載っていない田舎の街の一つに過ぎなかった……という感じです。


というわけで、VRMMO物を7000文字ほど書いた所でしたが、主人公を変えてエウロパを舞台にした宇宙物として、新たに書き始めたところです。


小説を書き始めたばかりの頃は、とにかく戦闘シーンが描きたくて書き始めたのですが、戦闘がメインの長編を二つ(いや三つかな……短編を含めたらもう少し)ほど書いたら、今やすっかり戦闘シーンを描くのが面倒になってきてしまいました。


理由はいくつかあって、戦闘を描く為には主人公たちにそれなりのスキルを与えなくてはいけなくて、それもなるべく主人公たちの性格とある程度合致するか、もしくはストーリーと絡められる物を考える必要があり、しかも登場人物全員に性格とは別にスキルを用意して、それらが活かせる場面も用意しなければいけません。

そして、雑魚敵はスキルを使えばそれなりに簡単に倒せて、ボス敵はその場にいる人たちのスキルを上手く活かせなければ倒せないように強さを調節して設定する必要があるのです。

さらに、主人公のスキルは戦闘以外のストーリーでも役に立つ場面が作られると、良いです。


これらを考えるのは楽しいのですが、前述したように既に拙作の長編では戦闘シーンが多くでてきて、主要なスキルは大体使っているのです。

新たに書く時には新たに別のスキルを考えて、それを使う形にしたいとおもうのですが、なかなかいいスキルがパッとは浮かびません。


そして、一番重要なのは、そこまでして書いても、戦闘シーンの時には基本的にストーリー進行が止まるので戦闘シーンを厚くすればするほど、メインストーリーはどんどん薄くなってしまうという所です。


作者としても、ストーリーの先を書きたいのにこまめに戦闘を挟むとなかなか先に進めないし、読者としてもストーリーの先が見たい時にいちいち戦闘で止まるのはもどかしいというジレンマに陥るのです。


これを回避する手としては、いくつか方法があります。


まずは、ストーリーがそもそもメインではなくて、戦闘がメインである。

あるいは、戦闘している様子そのものがメインのストーリーとなる……というやり方です。


主人公がひたすら敵を倒して、ヒロインが主人公に寄り添ってくるの繰り返しで良いのです。昨今の異世界小説ではこちらが一般的な気がします。


次に、戦闘とストーリーを非常に密に繋げるやり方。


例えば、主人公の乗った飛空艇が敵国のテトリストに占領されました。

敵は全部で10人、それぞれが異能を持っています。主人公側は全員拘束されているので、どうにかこの部屋からまずは脱出して、見張りを倒して、仲間を探して、解放して、今持っているスキルで敵を全部倒さねばいけません……的な。

こちらはどちらかというと従来の小説の方法で、ライトなノベルでは敬遠されがちではあります。


この二つをミックスさせた方法として、バトルロイヤル物、あるいはデスゲーム物という方法もあり、これらは後者に近い文法ですが、ライトなノベルとして読んでくれるかもしれません。


そして、戦闘そのものは一瞬で終わるというパターンです。

主人公に必殺のスキルをもたせておけば、戦闘シーン自体のボリュームは多くなくて、そこに至るまでの過程を描く事でストーリーになるのです。

例としては、主人公が旅先でヒロインに出会います。

ヒロインとの楽しい日々が描かれたのち、領主がすごく悪い人だと知らされます。

ヒロインが領主に連れていかれます。

主人公は助けに行きます。

主人公は実は必殺のスキルを持っているので、戦闘そのものはサクッと終わります。

次の街では、主人公の活躍は既に知られていて伝説となっていますが、町の人たちは主人公がその伝説とはしらないまま接してくるのです。

そしてまた別のヒロインと仲良くなり、別の悪いやつに脅されるのですが、そこで颯爽と現れた主人公が悪いやつをあっさりと倒します。

時代劇でよくある、典型的な勧善懲悪の物語です。


このパターンは、ジャンプの読み切りでもよく見ます。

ジャンプは連載物だと何週間も延々とバトルシーンが続く物が描けますが、読み切りだとページ数が限られた中にストーリーもバトルもキャラクターも世界観も全部描かなければならないので、戦闘シーンだけで何ページも費やしていたら、アンケートを誰も入れてくれないとわかっているので、読み切りだと結局このパターンになるのでしょう。


おわかりでしょうか。

最初の方は戦闘シーンを描くのは楽しいなと思っていたのですが、最近では戦闘シーンを描くのは面倒だなと感じる理由が。


で、新作としてVR物を描き始めたはいいけれど、肝心の戦闘をどうするかを考えるのを後回しにしていたのです。


と言う訳で、いっそVR物は後回しにして、同じ世界で脇役として登場させた主人公の妹が地球からエウロパに行く……という話を考えたら、なんかいい感じにまとまってきたので、VR物は一旦置いておいて、こちらを先に書く事にしました。


妹がエウロパに行ってどうなるのかに関しては、長くなりそうなので、また今度書くとします。

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