第34話 謎の男? (6)

「あぁ~、優男。お前のヒョロヒョロパンチを食らったぐらいでは、俺は他界もしないし、床に転がることもないから大丈夫だ」と。


 小汚い男はケラケラとアランの事を揶揄するように嘲笑う。


 だからアレン顔は真っ赤……。鬼のような形相へと移り変わる。


「おい! 若いの! もっと精進しろよ!」


 でも、小汚い男は、憤怒して、自身の顔を真っ赤にしているアレンの様子を窺っても、全く気にもとめない様子でね。


「ほら、早く行け……。俺は姉ちゃんと話しがあるのだから……」、


「シッ、シシ」と、自身の手でジェスチャーしながら、鬼のような形相のアレンに対して、やはりチビで小汚い男は、恐れ慄く事もしないで、この場から早く去れ! 邪魔だ! と告げる。


「お、お前なぁあああっ!」


 だからアレンはこの通りだ! 更に自身の顔を赤くさせ、まさにオーガ! 大鬼のような形相で、小汚いチビへと呻り、吠え始める。


 それでも小汚いチビは無視……。アレンに背を向け、ア・リシャーの受け付け口の前に置かれている椅子へと向かおうと試みるから。憤怒しているアレンは、また自身の拳を握り、振り上げる。

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