第25話 ア・リシャー(6)

 ア・リシャーは、「えっ!」驚き、(嘘~?)と、脳内で思い。


(何でアレンさんは、家のお家……。私の結婚事情の的を射ている事を告げてくる訳~。信じられない~)と、自身の脳内で更に驚愕し。


(アレンさんは、私の結婚事情をここまで調べるくらい。私の事が本気で好きで、愛している訳なの?)と、ア・リシャーはアレンの事を好意的に思う。


 でも、まあ、何処の貴族の家も、自身の娘を何処の貴族に高く売り。その貴族との仲を深め。今後の家の繁栄をと考えるから、別にアレンがア・リシャーの事を真剣に考え調べて回った訳も無く。貴族の家ならば当たり前の事。


 ましてやアレンは、自身の家の跡継ぎでは無く、微妙な位置の三男坊だから。彼は余程の事でもない限り、貴族の娘を嫁にもらうこともできない、と言うか?


 自身で努力! その身を立てないと! 結婚そのものが出来ない身の上だから。未だ世間体を知らないア・リシャーを彼は何とか自身の嫁にして、彼女の男爵家の跡継ぎ候補に名乗りをあげたいと思っている。


 特にアレンは、他の受付嬢達には、今迄全部断られ、相手にされない状態にあるから、新入社員のア・リシャーに目をつけたと言う訳なのだが。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る