第3話 宿と貨幣価値

 俺は宿へと送られたが、騎士か兵士が明日の朝迎えに来ると言われた。宿の支払いは済んでおり、夕飯と朝食が付くそうだ。

 町並みはテンプレだが、中世のヨーロッパを彷彿とさせ、木造と石の建築物が多く見受けられる。


 宿はどこもそうだというが、1階が酒場兼食堂、2階から上が客室となっている。


 俺の泊まる部屋は30平米位と中々広く、ベッドはダブルベッド相当で、机と椅子、トイレ、風呂がある。風呂のお湯は魔道器に魔力を込め、その魔力でお湯を作るか、魔力が足らないか無い場合は、魔石を購入する必要がある。魔石をセットし、その魔力を使って湯を作ると教えられた。だが、俺には魔力が十分にあったようで、難無くお湯を作り出す事が出来た。


 部屋を確かめた後は食堂に行き、周りの人の様子を観察したりしながら夕食だ。少し早かったようで、まだ席は空いていた。

 宿代に入っている食事は今日の定食?という事で、直ぐに用意された。早い!


 定食は何かの肉のステーキだ。付け合せに炒めた野菜がある。全体的に薄味で、正直なところあまり美味しいとは感じられなかった。まあ不味くもないのだが、可もなく不可もないと言う感じだ。バスケットにパンが盛られていて、余った分は収納に入れた。


 夕食を食べ終わった後は、何となく宿の周りを少し歩いて見る事にした。

 キョロキョロしながら歩いていくと、うっかり裏路地に入ってしまった。そして悪い事に5人程に囲まれてしまった。相手はどうやら酔っ払いで、服装から城に勤めている者や、神官もいるように感じ取れた。


「やあ、お兄さん。神官の俺に少しお布施をおくれよ!神の加護があるぜ!けけけけ」


 いきなり殴り掛かられ、避けられずに殴られてしまい、更に胸ぐらを掴まれた。痛えぞ!


「スキルスティール」


 俺は心の中で全て奪う!と念じながら小声で呟いた。


 回復魔法取得

 格闘術取得

 神聖術取得

 棒術取得

 馬術取得


 四則計算保管

 とアナウンスが聞こえ、画面に表示され、テロップが流れてきた。


 そしてそいつの腕を捻り、間髪入れずに投げ飛ばした。そいつはひぃーと短く唸るだけだった。

 

 俺は他の奴に向かい合う。


 短剣を抜きこちらに敵意を向けて来るが、俺は無視してそいつの懐に飛び込み、出足払で地面に転がす。

 頭を地面に押し付け、根こそぎスキルを奪う!高校の授業で護身に役立つとし、受け身と出足払いだけは教えられていた。


 剣術取得

 槍術取得

 弓術取得

 投擲術取得

 スケコマシ レベル3取得

 異性遊戯  レベル3取得

 ナンパ   レベル3取得


 馬術保管


 おいおいスケコマシって、こいつ遊び人だったのか!?それに何だこの異性遊戯って!?あかんやつやろW。

 突っ込み所満載だが、ご愁傷様という感じだ。襲ってきたのはそっちだからな!


 そして次に2人が慌てて近付いてくる。

 俺は短剣を拾うと対峙した。2人と相対するので、片方をターゲットにし、突き出された短剣をさっと躱し、顔面を軽く殴ってスキルを盗む。槍術を即時合成してレベル2に。合成出来るものを全て合成するようにとしている。先程ギフトをチェックした時にそのような設定が有ったので、設定していたのだ。何故かやり方が分かったのだ。


 もう一方の奴が剣を繰り出して来たので、短剣で対峙する。辛うじて躱しつつ、何とか接近し顔面を殴り付けてスキルを頂いた。


 最後の1人が慌てて魔法の詠唱に入ったので、一気に距離を詰めて殴り飛ばし、倒れた所で体に触れ、スキルを全て奪った!


 奪ったのは

 火魔法取得

 詠唱省略取得

 魔法抵抗取得


 四則計算保管

 馬術保管

 となった。


 酔っぱらいの為か、意外とあっさり倒す事が出来た。起き上がろうとしているので、俺は慌ててその場を離れ、宿に駆け込むと部屋に入った。落ち着こうと思い、汗をかいたのもありまずお風呂に入って体を綺麗にして、すっきりした。


 そうそう、このアイテムボックスという異次元収納は、そこに入れている間は時間が止まるらしい。一応先程お湯が入った湯呑で試したが、お風呂に入った後に机に置いていたのは冷めていたが、収納にいれていた方は熱いままだった。


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 本編の補足


 因みに主人公はいっぱいいっぱいで、この国というか、この世界の貨幣について確認をしていなかった。

 この時点で貨幣の事について知らない。


 お金の単位はゴールド又はG。

 本当は違うのだが、そのように自動で翻訳されているだけだ。


 概ね10万Gあれば1ヶ月生活出来る。

 銅貨1枚が鉄貨10枚。

 銀貨1枚が1000G=銅貨100枚

 金貨1枚が銀貨10枚。


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