28 大学に金がかかりすぎる問題に苦しむ。

 大学には落ちた。


 もう、落ちたんだよ、また落ちたんだ。


 精神病院に通わされて死にようだ。


 お前らが、カウンセラーにカウンセリングでもしてもらえ、頭の逝かれた一族だ。

 僕は、この家族こそ、悪魔に思えた。


 僕を闇の更に奥の闇迄連れて行った、この家族が、果たして健全者なはずがあるか。


 この様な、俗物が健全者な筈があるか。


 あって溜まるか。


 この異常者どもが。


 僕を苦しめる、異常者どもが。


 如何して、未来を憂慮しない。


 そんな仕事でやってけると思ってんのか。


 そんな仕事で。


 子供の負担になるとは思わないのか。


 お前が歳を取ったあと、その医療費は誰が払うんだ。


 私だ。大人になった私が払うんだ。


 ふざけるな!!!。


 もう厭だ。


 ふざけている。


 どうにも許せない。


 貯金を崩して大学受験に使う、大学院に行く、そして、どうなる、博士号を取って大学教授にでもなれればいいが、なれなかった時は、就職、働きながら、御金を貯めていかなければいけない、老後の為だ。このルートでなんら問題はないではないか。

 親の老後の為に御金を貯める。


 其れは、子の役割なのか。


 よもや、そうに違いあるまい。


 親は遊び散らかしているが、其れは、僕が将来的には働きに出てその収入で、老後の私たちを支えてくれるそう信じているから、あんなにバカの様に毎日、毎日遊び惚けられるのだ。


 あのような大した仕事にもついていないのに。


 僕は不安だ。


 あの仕事の親も、親の老後も、不安だ。


 祖父母の葬式も、父母の葬式ももう不安だ。


 既に不安だ。


 此れから起こる事も不安だ。


 どうにか、上手くいかないものか。


 兎に角、簡単な収入があれば。


 突破口は開けてくる。


 全ては予算が足りないのだ。


 財政の行き詰ったこの国とよく似た状態だ、正に金が足りない。


 其れが、道を誤って大学受験前に急に進路を変えて、美大進学を目指した私の実態だ。


と、愚者 不思議はそう言って、感傷に浸っていた。


 愚か者の一族は確かに愚か者だ。


 彼彼女達は、馬鹿で、みすぼらしくて、其れなのに、自覚が無く、収入の低い仕事で全く危機感も無く、暮らしているのである。


 此れが、愚か者か。大学は金がかかる。


 親は子供に何か、より支援を使用だとかは思わないのだろうか、もう大人だからと最低限の事しか、しては呉れないものなのだろうか。


 家庭にもよるだろうが、僕は、ぼくの場合は、単純に、親にそんな金が無いんだろうと思った。親は、もう生活で精一杯なのだろう。


 そんなお金は無いのだろう。


 僕は、親も遊びたいもので、その為の金の方が大人になった、僕に出す金よりも大事なのだとすぐの分かった。


 そんな金はない。


 家族にそんな金はない。


 頼みの綱は、祖父母の貯金か。


 そう考えても、厭だった。


 雑魚だった。


 自分たちは、大した金も稼げていないが、祖父母は金を持っていて、其れが充てなのっである。


 こんなのは、クソだ。


 親が偉いかといって、子供迄が偉いとは限らない。


 確かにそうなのだろう。


 正にこの家が其のよき例ではないか。


 祖父が或る程度の金持ちでも父がそうとは限らない。


 祖母もいい仕事に就いていた。父は不安定な仕事で或る。


 其れを悪く言うのもおかしい気もするが実際そうなのである。


 僕は・・・。


 如何にかして、この家の好意ばかりに甘えているこの状態から抜け出して、御金を稼がなくてはならない、そうしなけらば、私も、父のような人間に成ってしまうのだ。其れは厭だ、父は、あの仕事は、厭だ。


 此れが、全くの理で或る。


 僕自身の問題だ。如何にかするのは僕の仕事だ。


 親がクズだからといって子供迄クズになるとは限らないであないか、本人次第で、クズにも、天才にもなれるんだ。


 残念な親だが。


 何も殴ってきたり、理不尽極まりない事をしてくるわけではない、確かに父はゴミでクズで、実に厭な人間だが、子供を殴った事はないし、優しい親だ、ゴミな性質を除けば、善良なる、無害な、人のいい人であった、そのクズ性を除けばいい人である。


 しかし、クズではある、クズだからあのような仕事に就いているのだ。其れはもう、其れがクズで或る証明だった。


 しかし、人間はちょっとした頑張り次第でクズにも立派にもなれるものだ。


 僕の父は怠けすぎたのだろう、確かにちゃんと仕事はしているが、それ以外は、何かしていたかというと何も無かった、疎ごとに出来るようなものも能力も何もなかった、其れがこのような、残念な事に成っているのだろう。


 世の中の大半の人間はこうした残念なものなのかも知れない。


 何の資格も無く、何の勉強もしてこなかった人なのだ。其れが悪いわけではないが、残念な、人ではある、決して能力が無いわけではないのだから、怠っているだけ、サボって来たんだろうずっと、僕の親はずっとサボって来たのだ、だからあのように能天気でいられる。頑張ってないでいられる、出来ないじゃなくて、やる気もない、只、なんとなく働いて、子供を作って、子供を立派に育てて死んでいく、そんな風な、構想で生きてきた人間なのだ。


 其れは若い頃は夢があったに違いないが、こうなって其の儘、終わって、成りあがりもなしに、クズの儘、もう終わった人で或る。


 僕は、親が、そういった残念な人間で或る事を知っている、時間があるのに何もしてこなかった、残念で無能なクズだと知っている。クズだが、能力が全くないわけではなく、きっとやれば出来るタイプの人である、サボり癖のある、人で、何もせず、なんとなくっ働いてきた、そんな人であった。


 僕の親は、そんな、普通過ぎる。


 大した趣味もない人であったが、優しい人ではあった。寧ろ其れが唯一の魅力であるのかも知れない、女の様に優しい男であった。


 鏡のように、甘い人間だった。しかし、クズではあった。


 強くないし、力もないクズではあった。


 しかし、ビビりなだけなのかも知れない。本当のクズなのかも知れない。


 最近、父親が、本当のクズに思えてきた。


 五十代で、未だ中学生に見えるのは、全くどういった、駄目な親父何だろう。

 祖父母がしっかりし過ぎなのかも知れない。


 父親も、祖父もそうだが、基本的に、この家の男はかっこつけたがりらしい。

 父親が、自分以外の人間を大事にしない私は知っていた。


 あの人は、そういった人だ。利己的な人だ。


 理解していた事だった。僕は自分の親が最低の人間だと知っていたのに、見るだけで吐き気のするほどの、偽善者だと知っていたのに。

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