推しが引退してしまったので友達になぐさめられたらVtuberになりました
公認焼き土下座師
第1話 推しが引退した、そして始まる新たな物語
『もうお別れの時間が来ちゃったみたいだね…皆…今まで応援してくれてありがとう!そしてまた会える日まで!またね!』
画面の中では俺の推しの桃原フロンちゃんが引退配信を行っていた
俺はフロンちゃんに出会って三年間、毎回配信を欠かさず見ていた。しかし、その楽しみはもう無くなってしまった
桃原フロン引退、これは俺も含め多くのファンが悲しんだ
彼女は個人勢でありながら、150万人ものファンがおり、個人勢では最高峰のVtuberだったのだ
「うぅ…フロンちゃん…今までありがとなぁ…」
引退配信が終わってからも俺は一時間くらいPCの前で放心状態だったと思う
それそほどに俺は、桃原フロンという人物を好きだったのだ
そして、一日達ったら戻ってくるんじゃないかと叶わない願いを抱えながら一週間が経つのだった
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「おい!祐介いつまで落ち込んでる気だよ!」
「あ、あぁ大政か…部活はどうしたんだ?今日はサッカー部あるだろ?」
放課後、俺は高校で部活をやっていなかったので、重い足を引きずりながら家に帰っていたのだが、部活で今日は一緒に帰れない筈の親友の大政がいた
「サッカー部はマネージャーに言って休ませてもらった、それよりも祐介。最近元気が無さすぎだ。推しが引退して辛いのは分かる!だがな!いい加減立ち直れ!」
「はは、そんなに今の俺元気ないか?俺はいつもどおりだよ」
「はぁ…今日ちょっと暇か?ま、祐介はどうせ暇だろ?俺んち来いよ、あ、これ強制な」
「それまたどうして?」
どうしてだ?ここまで真剣に誘ってくることなんていままで無かったのに
「いいから俺の家来い」
「おぉ、わかった、いいよ」
この時、俺が違った返答をしていたらもう二度と立ち直れて無かったかもしれない。だが、この親友の言葉で俺の人生は大きく変わったのだった
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「で、なんだ?俺になんか話があるのか?」
「あぁ、お前がマジで毎日死んだ目で学校いるから気になってきてな、最初の方はすぐもとに戻るだろうって思ってたけど戻る気配が無いからな。」
「まじか、俺そんな死んだ目してんのか…」
大政はこんなことを言う為だけに俺を呼んだのか?
「まぁ、今はそんなことは置いといてだ、お前の推しの桃原フロンちゃんについて俺の考察を聞いてくれ」
そして大政は俺にタブレットを渡してきた
「これ作るのに三日間徹夜したんだからな…こほん、ではまず…」
その後三十分に渡り大政がまとめたレポート?を聞かされた
いわく大まかにまとめると
1、最近フロンちゃんの配信頻度が落ちていた
2、今は丁度有名なVtuberの箱『Link Live』の新人募集の時期があった
3、そして最後の引退配信のまたね!の言葉
それらを合算するに
「またフロンちゃんに会えるかもしれない?」
「可能性としてだがな、そしてだ祐介、お前ただ復帰したフロンちゃんを見てるだけでいいのか?」
「というと?」
「お前自信がVtuberになればもしかするとコラボ出来るかも知れないんだぞ?」
「は?」
こいつは何を言っているんだ?俺がVtuber?なれるわけないだろ
しかも可能性の話であってフロンちゃんが戻って来ないかもしれないじゃないか
「一度チャレンジしたらどうだ?これでフロンちゃんが戻ってこなかった時、祐介はまた落ち込むだろ?そしてだ、祐介が落ち込んでいたように他にも落ち込んでる人がいるんだよ!その人たちの希望になってやればいいじゃないか!」
「で、でも俺に配信出来る力があるのか…それに機材もないし…」
もっともな疑問、俺は配信者に向いているのか、そこが問題だ。いくら素晴らしい体を作ってもらった所で中身、つまり俺が面白くないとだれも見てはくれない
「ふ、残念だったな。そこで親友の俺の出番だ。俺の今まで築いた人脈を舐めんなよ…ほら」
そう言われ見せられたのは一人のイラストレーターのTwitterだ
垣根しんじゅ、俺が昔から知っているイラストレーターで俺が桃原フロンちゃんを知るきっかけとなった人だ
「しんじゅさんがどうかしたのか?」
「あれ?知ってんの?まぁいい、この人に祐介の体を作ってもらったらどうだ?」
「えぇ?そんな、無名な俺の依頼なんか受けてくれるのかなぁ…」
「大丈夫だ、行けるって。ほれ、Twitter祐介もやってなかったけ?頼んでみれば?」
「緊張するなぁ…えっと『突然なお仕事依頼ですが受けてもらえますか?Vtuberの体を作って頂けませんか?』こ、これでいいか?」
「よし、送ったな!あ、見てみろ、しんじゅさん読んでくれてるぞ!さぁ、返信はどうだ?」
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