第28話 絶隠の力
初めてのレベルアップから一週間。新たに出てきたデイリーミッションとウィークリーミッションをこなしながら魔物を倒してレベルを上げていると遂に魔力の値が120を突破した。
(マスターついにやりましたね!!魔力が120を突破しました!)
「アスナ。120に超えたのは良いが何が良いんだ?」
魔力が増えるのは嬉しいが特に何もないはずだ。………まさか、神代魔法が使えるようになったとか!?
(まだです。まだ足りません。神代魔法を甘く見ないで下さい。といううより、また忘れたんですか?)
「………何かあったか?」
(………はぁ、マスター。スキル『絶隠』です。それが使えるようになりました。)
「絶隠………あぁ!!俺が初めて手に入れたスキルか!」
(やっと思い出しましたか。そうです。マスターが初めて手に入れたスキルです。発動した際、3分間だけ気配、匂い、音、殺気、魔力、全てを遮断させる。極めて強力なスキルです。これで隠密行動が楽になりました。)
「だよな。これでおれがもしあいつらと会ってもこれを使えば逃げられるのか」
今日は魔力を消費していなので使ってみる事にする。………うぉ、魔力がごっそり持っていかれたぞ。
「………これ上手く発動しているのか?」
(発動しています。これで3分間、マスターは誰にも気づかれる事は有りません。クールタイムが無いので連続で発動可能ですがマスターはまだできません。ちなみに、マスターが10m以内にいる敵に対して攻撃すると解除されますのでご注意してください。)
「それって10m以上離れている敵に攻撃しても解除されないって事か?」
(はい。そうです。なので発動中は遠距離からペチペチして攻撃しましょう)
ただの害悪じゃないかと思ったが、くっそ有能なスキルなのでこれからも重宝しようと思う。………俺、ゲームでは害悪な行動したこと無いからな。
「せっかくだしリリーにでもいたずらしてみるか」
俺は部屋を出て一階にいるであろうリリーの所へ向かう。発動から既に2分近く発動しているので急いでやらないといけない。
一階のリビングへ向かうとリリーが好きなアニメを見ている最中だった。よし、ポルターガイストまがいな事をするか。
俺はキッチンへ向かい丁度あったプラスチック製のコップを地面に落とす。
「きゃっ!?な、なに!?」
リリーが悲鳴を上げ驚く。やべぇ、これ面白いぞ。
(マスター。残り10秒です。戻ってください。)
あ、時間忘れてた。
俺は全力ダッシュで部屋へ戻った。どうやら絶隠は足音と、俺が走ったことで生じた風も消すのでバレずに戻る事が出来た。めっちゃ有能過ぎる。
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