大勝軒から大勝軒へ ①

三多摩の永福大勝軒系の店主に、どうすれば大勝軒ができますか?と尋ねに行った。すると、店主は、今の仕事から逃げ出したいから、らーめん屋をやるんじゃダメだよ!と云った!うちで平日は200杯!土日は、300杯出る。今の仕事より、らーめん屋がやりたいから、好きだからやりたい!でないと!

でなければ務まらない!そういう意味だろう。サラリーマンに、疲弊していた俺の心を見透かすようだった。さらに店主は、スープの作り方は教える。タレはだけは、どこかで勉強してくれ!とまで云ってくれた!俺は、とんでもない!そんなつもりじゃないです。と言った。スープの味を教えてもらうなんて!

それに、大勝軒の看板がなければ、客は来ないだろう。大勝軒がやりたいんです!と言った!店主は、じゃあ本店に行くしかないね!5年頑張って看板をもらうしかない!と。もともと製麺所から始まった永福大勝軒、今は暖簾分けにしか麺は配送しないらしい。当時、たしか永福大勝軒の給料は60万!そのうち半分は店主が積み立てて、5年経ったら渡してくれる。ざっと1800万貯まる事になる。開店資金には充分だろう。その頃俺は40近い、5年も修行するには自信がなかった!店主にお礼を言って、その日はそれで失礼した。

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