第4話 モテ期〜転校先は不良(ヤンキー)校!?

「お、おいっ!女っ!」



門を出てすぐに、一人の男子生徒が声をかけてくる。


そのそばには、二人の取り巻きがいる。




「………………」




《また同じ輩だし…もう良いんだけど…》



「何ですか?」

「話しがある!」

「えっ?あ、はい。どうぞ!」

「いや…ここでは…」



「えっ!?」


明らかに様子がおかしい。


ソワソワしてる?




「ちょ、ちょっと!付き合え!」

「えっ!?今からですか?」

「大事な用があるんだ!」



「………………」




そこへ―――――



「おいっ!お前、何の用だ!」と、蒼介。


「女あさりか?」と、木戸君。



「なっ…!女あさりなんてするわけないだろ!?」


「じゃあ、どうして、うちの女子生徒に、ちょっかい出してんだ?」と、蒼介。



「いや…これには…」



「……………」



「きょ、今日は退散する!」




そう言って足早に去った。




「クスクス…」



笑う吉良君。




「何?」と、私。


「何がおかしいんだよ?優人」と、蒼介。


「いや〜、別に。俺達タイミング悪かったみたいな雰囲気だったから」


「タイミング?」


「俺の目が間違ってなければ…だけどね〜?」




そう言うと帰り始め、私の横を横切る時。



「アイツ、希美ちゃんが、お気に入りみたいだよ?」


小声で言われる。




ドキッ


「えっ!?」


「良かったね」

「えっ?いやいや、まさか!」

「そう?希美ちゃん可愛い系だと思うよ〜?」

「えっ?か、可愛くないよ!」



「そうそう。コイツが可愛い系なわけねーじゃん!」


「優ちゃん、眼科に行って診てもらいーー」


「ちょ、ちょっと!それはそれで、二人共、失礼なんじゃないの!?」


「じゃあ、お前は自信あんのか?」


「えっ?いや…あるわけじゃないけど…」




私達は騒ぐ中、帰って行く。


そして、日を改め、例の人に告白された。


でも…断ったのだった。





それから私は、他校生にされる事が増えていた。



「お前、どんな手使って男騙してんだよ!」


蒼介が言ってきた。



「はあぁぁっ!失礼ねっ!騙してないし!やっぱり見てる人は見てるんでしょ?蒼介は、いつも私と言い合っているから私の魅力に気付いてないんだよ!」




ベシッ

オデコを叩かれた。




「った!」



「てめーは、告白されて調子乗って自信ありげに言うなよな!つーか、お前の魅力ってなんだよ!自分で言ってみろよ!」



「あのねーー!魅力というものは自分では分からないんですぅーーっ!バッカじゃないの!?男目線からの魅力よ!み・り・ょ・く!!分かる?匠 蒼介!あんたこそ私の魅力、言ってみなよ!」



「あるかっ!ないので言えませーーん!」


「なっ…!」




「可愛い〜でしょ〜?」と、吉良君。


「いやいや、可愛くねーよ!」と、蒼介。



「笑顔が似合うでしょ〜?」と、吉良君。


「コイツは笑顔とは掛け離れてるし!」と、蒼介。



「明るいでしょ〜?」と、吉良君。


「あ、それはアリだな!」と、蒼介。


「それは認めるんかい!」と、木戸君。



「いや、明るいのは…。でも他のは無理!」と、蒼介。




バシッ

私は、蒼介の腕を打った。



「ってーー、何すんだよ!」


「さっき、人のオデコを打ったくせに!」


「知らねーー!」



そう言った矢先、また、すぐにオデコを打った。



「った!ほらほら、打った!馬鹿になるじゃんか!」


「馬鹿所か脳みそにシワ増えて良いんじゃね?」




ムカッ



「ムカつく!あーでも…アンタより私の方がシワ多いと思うよ?蒼介の脳みそは、シワ所かシワ1つないんじゃないの!?」


「なっ!てめー」



その時だ。



「よー、蒼介」



「………………」



「さっきから楽しそうじゃん?女の子とイチャイチャしてよーー」


「うらやましーねー」


「イチャイチャじゃねーし!普通の会話だけど?」


「なあ、俺も混ぜてよーー。彼女」




グイッと手を掴まれる。




「や、やだ!離して!」

「付き合ってくれるなら離してあげるよ」



「………………」



「…そう…じゃあ…付き合って、あ・げ・る!」



掴まれていた手を離すと捻り返した。



「ってて…」




「付き合ってって言ったからーー」

「この女…てめー」

「お前、馬鹿にしてんのか?」



そう言うと、もう一人が襲い掛かってきた。


私は捻り返されてる人を押し、纏めて倒した。



「ってーーー」

「この女……」



「私、か弱い女の子じゃないんだーー。ごめんねーー。他の子に当たりなよ!私みたいな女の子よりも、可愛くて守ってあげなきゃって子にしたら?」



そう言うと帰り始める。



「………………」




《一層男の子に生まれた方が良かったかもな…》




ポンと頭に手を置かれた。



「か弱くなくても、希美ちゃんは女の子だよ〜」

「…吉良君…」

「そうだぞ。希美」

「…蒼介…」


「そうやで?お前はお前やん。女っちゅー事は誰が見ても分かんねんから、気にすな!」


「…木戸君…」


「みんなありがとう!」



私は笑顔を見せた。




みんなの一言が私に元気をくれる。


そして、笑顔にしてくれるんだ。







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