第6話 みんなと〜転校先は不良(ヤンキー)校!?

ある日の休み時間、私は机に顔伏せる。



「どないしたん?」

「眠いの〜?」

「ここは学校だぞ!」

「知ってるし!」


「何か悩みでもあるんか?」

「ないよ」

「ほな、何やねん!」


「……暇……」


「は?」



「何処かに遊びに行きたい…」

「何処かって何処やねん!」

「地球の果てか?」

「何でよ?無理だし!」

「お前、一生戻って来れなさそうだな?」



「何それ!どういう意味!?」


顔を上げ再び伏せる。



「宇宙に滞在してそう」

「無重力に体が持たなさそう…」

「ハハハ…てめーなら、有り得るな」



「…ねえ…休日遊びに行こうよー」

「忙しいから〜」

「どうせ私は暇ですよーー。じゃあ、何かない?」

「ないな」

「急に言われても出て来るわけないやろ?」



「……………」



「パアーーっと、ハシャぎたい」

「…ハシャぐ?遊園地とか?」

「遊園地……」



バッと顔を上げる。



「うわっ!ビックリした!」


「何やねんっ!いきなり顔上げんなやっ!頭突かれるかと思たわ!」


「イノシシじゃないし!」

「てめーのイノシシ、タチ悪そう」

「蒼介の方が、タチ悪そうだよ」

「何!?」

「何よ!」



「ねえ、ねえ、ねえ、ねえ!誰か遊園地行こう!」


「ねえねえ、ウっザー」


「“ねえ”は、一回で。ええわ!アホ!」


「アホは、余計ですぅー!」


「知るか!ボケ!」



ワァー、ワァー、騒ぐ私達。




そして――――



「結局、みんな遊園地行きたかったんじゃん!」


「いや、迷ってたんだけどさー。たまには良いかも?と、思ってさ。付き合ってやろうかなーって」


「そうだね〜」


「そうそう!」



「ふ〜ん…何か嫌な言い訳。ていうか、こうして休日に会うのって初めてと変わらないよね?」


「カラオケ以来か?」


「そうだ!カラオケ以来だね!」





私達は、遊園地を楽しむ事にした。



すると、色々な一面を見る事になり―――




「アカン、アカン!俺、高い所、駄目なんや!」



木戸君は、高い所が苦手らしい。



「ねえ、蒼介、これ乗ってみない?」


「……え゛っ゛…!?」


「今、明らかに変な声が出たし〜、顔も引きつったよね~?」


吉良君が言った。




「ち、ちげーよっ!!」



私が誘ったのは、ジェットコースターだ。



「面白そうじゃない?」

「ひ、一人で行けよ!」

「女の子一人で行かせるの?」



「………………」



「なんか…こういう時の女の子になんの、スッゲームカつく!」


「何でよ!!女の子なんだから仕方ないじゃん!」



ワァー、ワァー、騒ぐ私達。



どうやら蒼介は絶叫マシーン系が苦手なようだ。




「ええーーっ!吉良君、お化け屋敷駄目なの?」


「ちょっとね〜。小さい頃、嫌な思い出があってトラウマなんだよね~?」


「意外…」


「そう?」


「じゃあ、彼女が入ろうって言ったら?」


「前もって言っておいて入らないように仕向けるかな〜?」


「絶対に入りたい!って言われたら?」


「理解してもらって、入るかも?恥ずかしい一面見せるわけだし」


「そうか…」



結局、私が全てにおいて良かったんだけど唯一、回り物が苦手な私。


そして、無難な乗り物などで、私達は楽しんでいた。





――― 夕方 ――――




「今日は、付き合わせてごめんねー」

「別に良いし」

「楽しめたから、ええんちゃう?」

「そうだよ~」

「そっか」



「今度、また、何処か行こうな」

「うん、そうだね。動物園とか水族館とか?」

「良いな!」



私達は肩を並べて帰るのだった。


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