第3話 他校生の不良!?〜転校先は不良(ヤンキー)校!?

ある日の学校帰り、私は用事で街に足を運ぶ。



ファーストフード店に、一人でいると




「彼女、一人?」

「連れはいないの〜?」

「一緒に良い?」



そして、私の許可なく、3人の男子が腰をおろす。




「…!!!」


「お前、本当、単独行動好きだな?」と、匠君。


「まあ、男ばっかりの学校だしね〜」と、吉良君。


「もっと仲良くしたらどうなん?」と、木戸君。



3人トリオのメンバーが、私と同じテーブルを囲む。




「一人が気楽だし!つーか、あんた達といると変な輩に絡まれそう!」


「まあ…ないとも言えねーな」と、匠君。


「ま〜ね〜」と、吉良君。


「まあ、棚峅ちゃんの言う事は、一理あるわな」と、木戸君。



「でしょ?」



「つーかさ、俺達だけでも、心開けないわけ?」と、匠君。



「えっ?」


「いや、女なんだし。確かに、お前が武術的な事を出来るのは分かってんだけどさ、女子はいないのも同然だし」


匠君が言った。



「俺達は確かに男だけど、君一人じゃ危険だから~」


吉良君が言った。



「友達として仲良くすんのは罰は当たらへんのとちゃうか?」


木戸君が言った。




「………………」




《もしかして…気に掛けてくれてるのかな?》




「ありがとう!…でも、大丈夫だよ!」



「………………」



「その気持ちだけで十分だよ。じゃあ、お先!」




私は、そこから去った。




「アイツ…壁作ってんな…」


「まあ、無理もないよ〜。男子校に一人、女子がいるのと変わらないし〜」


「せやけど、もう少し心開いてもええんちゃう?」


「…何か…理由あるのかな~?」


「えっ?」


「理由って何やねん?」


「ちょっと…探ってみようかな〜?」





ある日の休日。



「希美!」

「あっ!真美!」



私の親友の、谷口 真美(たにぐち まみ)


小・中・高と一緒だった女子。


ファーストフード店で待ち合わせをしていたのだ。




「久しぶりー!」

「本当!」

「どう?今の学校」

「男ばかりだから最悪だよ…」

「じゃあ、彼氏ゲットも夢じゃない?」


「無理だよ~…」

「そう?」

「うん…私の席の近くには変な不良っぽい輩いるし」

「そうなんだ」

「うん…でも…」



「でも……?……何?」

「イイ奴等なのかな?っていう部分はある!」

「じゃあ、仲良くすれば良いじゃん!」


「うーん…向こうは、そんな感じで近付いてくれてるみたいだけど……」


「あんたが心開けないってやつ?」


「うん…まだ心許せないみたいな」



「そうか…」


「うん…それに…仲良くなり過ぎた時、恋愛に発展しないみたいな所あるじゃん?私…今まで…そんな感じだったから…」


「あー…そうか…希美、そういう恋愛模様、多いよね?」


「うん…だから…ちょっと…まだ上手く接していないっていうか…」



私達は色々と話をする。




そして――――



「彼女達、何してんのー?」



「………………」



「ねえ、遊びに行こうよ!」


「ごめんなさい!無理かも?すぐに行かなきゃいけなくてさー」


「じゃあ、俺達も一緒に行こうかな?」


「えっ!?」


「良いじゃん!」



「………………」



「いや、良くないし!他当たりなよ!」

「えー、君達が良いんだけど?」


「いやいや、私達に拘(こだわ)る理由が分からないんだけど!?他当たりなよ!行こう!真美」


「うん」



私達は移動しようと席を立つ。




グイッと腕を掴まれた。



「な、何?」



真美も掴まれた。




「は、離して!」


「ちょっと!私達、あんた達のお遊びに付き合ってられないんだけど!?」


「良いじゃん!」


「良くないからっ!」




その時だ。



「なあなあ、その子達に何か用なん?」



「……?」



《木戸…君…》



「彼女達、嫌がってんのに無理はアカンで」

「うるせーな!てめーには関係ねぇだろ!?」


「関係あるとかないとかは俺が決めんねん!正直、関係あんねんけど」


「ふざけた事、言いやがって!」


「ふざけてへんし!」


「野郎っ!」



襲いかかる相手。



ヒョイと交わされた。



「なっ!野郎っ!」



再び別の相手が、襲いかかる。




「喧嘩したないねんけどなー。俺、弱いねん」

「だったらボコボコにしてやる!」

「ボコボコにするん?ほな、してもらおか?」



「…えっ…?」




相手はニヤリと笑う。


そして、襲いかかる相手。



「おっ!」



屈(かが)む木戸君に対し、相手は空振り。



「100円、見ーつけ!」

「てめー」



次の相手が襲い掛かると同時に立ち上がる木戸君の行動で相手の顎辺りに木戸君の頭が当たる。



「…うっ…」



「…あっ!すまん!大丈夫か?」



《計算?偶々?実は…本当は…》



私は疑問に思う中、結局、相手は去って行った。



「………………」



「何やねん!そんな見つめんといて!」



「………………」



「えっ?…あ、ごめん…!あ、ありがとう…」

「別に!偶々やし!」

「そう?…今日は…いつものトリオじゃないんだね?」


「あー、お前の言う3人トリオちゃう!ほな!気ぃつけや!」




そう言って去って行く木戸君。




「さっきの子?」

「えっ?」

「希美の言う…変な…輩…だっけ?」

「あ…うん…。そのうちの一人」


「3人トリオって事だから、さっきの男の子含め、後、2人いるんだね」


「うん」



私達は店を出て移動した。






――― 次の日 ―――



バシッ


突然、後頭部を叩かれた。




「った!」



バッと、振り返る視線の先には、いつもの3人のメンバーがいた。


そのうちの一人、匠君がイタズラっぽい笑みを浮かべている。




「不意打ちって駄目なんだな?」


「当たり前でしょう!?殺気感じないし!つーか、朝から人の頭を叩くなんて信じらんないっ!」


「叩きやすい頭してたし!」


「酷っ!」




「ハハハ…」


「全く!」


「つーかさ、そうでもしなきゃ、お前そのままだし!コミュニケーションとろうぜ!」


「構わなくて良いから!」


「出たよ!私は一人で大丈夫です!みたいな言い方!」


「ふんっ!」



「可愛くねーーっ!」


「可愛くなくて結構!どうせブサイクですから!」


「ええーーっ!お前がブサイクって……同性からメッチャ反感かうで!」


「女いないし!」


「ここは、いてへんくても街とかにはぎょうさんいてるやん!」


「ここは、街ではありません!ちなみに誰も聞いてないし!」


「あー言えば、こー言う女」


「だから!?」



クスクス笑う吉良君。



「蒼ちゃん、勇ちゃん、押され気味だし〜。特に蒼ちゃ〜ん」


「う、うるせーっ!」



 


その日の放課後 ―――――




3人のメンバーが私の背後についてくるように後ろにいる。




「………………」



「ねえっ!後ろからついてくんの辞めてくんない?」


「あー、気にするな。気にするな」


「いや、気になるし!」


「仕方ないやろ?同じ方向やし」



「………………」





――― そこへ ――――




「あれ?女子いるし〜」

「マジだ!」

「ヒュー、可愛いーー」




他校生の男子生徒が私の周りを囲む。




「通して下さい!」

「良いじゃん!」

「いやいや、良くないし!」



「なあ、お前ら、俺達はシカトかよ!」と、匠君。


「あ?」


「蒼介じゃねーか!」


「いつからいたんだよ?」


「いやいや、普通にいたし!」


「男に興味ねーからな?」


「俺だって興味ねーよ!」




匠君と言い合っている隙を、狙い、私は逃げるゃうに抜け出す。



「…はあぁ…付き合ってらんないよ……」



私は足早に帰る事にした。


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