第43話⁂事件の真相!⁂



 葵は医療療育センターの6階の奥まった部屋に向かったが、静かに近づく影が?

 ""コツコツコツ""

 その足跡は段々と大きくなる。


 咄嗟に物影に隠れた。

 すると黒い大きな影がス~ッと横切った。

 だが暗いので人物特定は出来なかった。

 

 {一体誰なのだろうか?}


 これは危険と思いその場は逃げて、逃げて。


 だが執拗に追い詰める影。


「ワァ————ッ!」


 誰かに物凄い勢いで追われていた。


{なっ何とも………ナントも恐ろしい!} 


 だが何とか逃げ切り事なきを得たが、この施設は何かとんでもない、恐ろしい悪の要塞であると確信した。


 

 ▲▽

 それでは………色々な問題を紐解いて行こう。




 2015年4月某日仮面舞踏会の2ヶ月前の事である

 それでは何故〔OUGI探偵事務所〕に夏美と葵は名前を偽って現れたのか?

 それも姉弟なのに夫婦と偽る理由は何だったのか?


 それは共に度々メディアに登場している有名人が、最近巷を賑わせている〔オオカミ怪人〕の姉弟だという事が世間に知られたら面白おかしく書き立てられて、本妻の子供夏美と辰也、更には葵の母が愛人という事まで全て白日の下に晒されてしまう。

ましてや嫉妬深い母光代をこれ以上刺激しては危険だ。


 その為、高名な医師として度々媒体に登場している為に、全くイメ-ジの違う、厚化粧とス-パ-モデルの様なファッションで素性を隠すために、名前も麗奈で夫婦という形を取った。


 一方の葵の方も医師でありながら、ベンチャー企業BEST〔アプリケーションの企画・開発・運営〕を展開するする若き起業家“で、近年テレビや雑誌で頻繫に紙面を賑わせている、若き起業家で別名”田所”なのだ。

 それは柳田組のフロント企業なので、柳田組長の息子翔から頼まれたからである。



 35歳にもなると言うのに働きもしないで、親の顔さえ見ればお金をたかるか、酷い言葉を吐くか、暴力を振るうか、とんでもない〔オオカミ怪人〕。


 それは辰也の事であるが、それでは一体何故、愛人宅近くでそんな噂が立ったのか?

 それは父親浩二が、愛人宅に来ていた時に近所の家電量販店で、丁度その頃辰也が、金の無心で暴れて家がハッチャカメッチャカだったので、耐え切れず愚痴った事が有った。

 浩二は愛人宅近くなので、誰も自分の事など知らないと思って、思い余って愚痴ったが、〔ヤマタニフーズ〕副社長で婿養子ながら、一気に業績を伸ばした遣り手として媒体でも有名人。


 たまたま買い物客のおばさまが、耳にして噂を広めた。

 それを愛人宅の息子葵とばかり思って間違って伝わった。


 

 それでは何故?障害児・者施設〔レインボー🌈〕のスナップ写真に椿辰也が写っていたのか?


「多動の弟がいて困る」

 

 夏美から相談を受けた葵が、友達が入所している施設の話をした。


「プライバシー厳守の施設で、自分の友達が入所している障害児・者施設〔レインボー🌈〕が有る」


 そして…本妻光代が、子宮がんで入院していた時期に、発達障害でADHD『不注意(集中力がないなど)多動性・衝動性(落ち着きがない、順番待ちができないなど)』の椿辰也は、短期でこの障害児・者施設〔レインボ―🌈〕に入所していた。

 その時のスナップ写真なのだ。



  

 それでは何故〔OUGI探偵事務所〕の直樹と美咲は、椿辰也が障害児施設〔レインボ―🌈〕に入所していた事が分かったのか?


 実は…〔OUGI探偵事務所〕の婿養子直樹が発達障害なので、この障害児・者施設〔レインボ―🌈〕に入所している知り合いがいるのだ。


 そこで2人の多毛症が居たと聞いた直樹は早速〔レインボ―🌈〕の日報を、知り合いの母親が、後生大事に持っている事を知って見せて貰いに伺った。


 そして…スナップをめくっていると葵らしき人物に目が行った。


「ああああ!この毛むくじゃらな男性は葵君ですね?」


「いえいえ違います。聴覚障害のお友達に寄り添っているのは椿辰也君です」


 辰也も毛むくじゃらってどういう事?

 実は…多毛症は葵ではなく辰也だったのだ。


 

 夏美は元々頭の良い子だったが、何故医師を目指したのか?

 それは5歳違いの弟辰也が多動で更には先天性多毛症、そんな障害を持って生まれた辰也を不憫に思い、泣き明かす母親光代の姿を見るにつけ、徐々に医師になる覚悟をする夏美。


 さらに追い打ちをかける出来事が起きる。

 それは愛人の子で一番気の合う葵の不慮の事故(醜い傷跡)。

 こうして寝る間も惜しんで医師になった夏美なのだ。

 


 ◆▽◆

 葵の実家に伺った時に写真を見て、風貌を知っていた直樹は、2人は同一人物だと確信していた。

 だがそれは大きな落とし穴、辰也と葵は異母兄弟だったので瓜二つだったのだ。


 葵は被り物であったり、着ぐるみであったり、自分の醜い傷を隠すための人口毛に覆われて多毛症と勘違いされていた。


 片や椿辰也は先天性多毛症でレーザ—脱毛などを試したが、赤くただれるので手を焼いていた。

 それでも…例えただれても、見栄っ張りな世間体を何より気にする親が、隠すようにと口出しする。

 また人一倍気の弱い辰也自身も、虐めに遭う事を何よりも恐れた。

 その為、少々痛くても出来るだけ剃って学校に通っていたので、目立たなかった。


 だから…先天性多毛症の辰也はレーザ—脱毛や、自ら剃ったりして必死で隠そうとした。

 その為葵が、先天性多毛症と勘違いされた。

 こんな勘違いが操作を混乱させた。


 ◆▽◆

 

 夏美が名乗った麗奈は一体誰だったのか?


 この美女当時15歳の麗奈は20年前の11月18日の障害者交流会に、知的障害児の弟の付き添いで母親と一緒に来ていた性同一障害の本当の性別は男性なのだ。

 他には知的障害ではあるが、色彩豊かな画風で有名な画家、田村洋介当時18歳も愛知県で開催された障害者交流会にやって来た


 だから…あの惨劇七夕会🎋の後に、この交流会が開催された事になる。

 交流会が終わってホテルの当時15歳葵の部屋に集まって、進展しない七夕会🎋の  あの恐ろしい事件について皆で話し合った。

 そこに集まったのは麗奈と田村洋介。


 葵は大切な友達勇を殺害されB君も行方不明になっている。

 麗奈は弟を失っている。

 田村洋介も大勢の友達を失った。

 こうして3人の恨みは、やがて家族や友達をも巻き込み、その恨みは益々大きな輪となり暴き出されようとしている。


 ◆▽◆



 三十五歳にもなると言うのに働きもしないで、親の顔さえ見ればお金をたかるか、酷い言葉を吐くか、暴力を振るうか、そんなどうしようもない、手に負えない子供の将来を儚んで、悪徳業者の上手い話に載せられ、丸め込まれて多毛症の子供を手渡したらしい?

 これはどうも葵の事ではなさそうだ。


 これは椿辰也の事で、ヤマタニフ-ズ副社長夫人で世間知らずの光代に巻き起こった事件らしい。

 一体どういう事かと言うと、辰也は発達障害(ADHD)なのだが、どうも発達障害者はギャンブル依存症になりやすいらしく、金を渡さないと親に酷い暴力、暴言を吐く、だから暴れると手に負えない。


 またお金を渡さないと、恐喝や詐欺などを繰り返し金品を手に入れようとする。

 そんなに酷いのであれば更生施設に入れたら?


 イヤイヤ、ギャンブル依存回復施設に入所させたが、余りにも嫌がるので致し方なく退院させてしまった経緯がある。


 困り果てた光代は悪徳業者に、ギャンブル依存症を更生させて働かせる企業があると聞いて、藁をもつかむ思いで引き渡してしまった。


 こうして中国のサーカス団の一員として売り飛ばされた可能性が出て来た。






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