第3話⁂仮面舞踏会の目的!⁂


  仮面舞踏会の約二ヶ月前に、チラシに紛れ込んでなんともゴ―ジャスで、お洒落な💌レターが招待客の自宅に届けられていた。


 それは、極一部の条件を満たす市民にだけ届けられていて、そこには次のように書かれてあった。


 ⁂仮面舞踏会招待状⁂


 💞✨☘️

 選ばれし紳士の皆様へ————♡


 大富豪の紳士である貴方様の未来が一層輝きあるものに.:*:・☆

 たとえ個性を持って御誕生されたと言え、それは……現代社会では個々の特徴であり個性と捉える事が出来ます。


 まぁ~別の言い方で誠に失礼とは存じますが、たとえ五体不満足であれ、それは長所でもあり個性でもあります。


 そんな皆様に出会いの場を設けさせて頂きたく、この招待状を送らせて頂きます。

是非共ご参加頂きますように!


 条件:高収入は言うに及びませんが、それと条件にこれだけは加えさせて頂きたいと思います。

 身長一七五cm以上・年齢四五歳以下の独身男性・この条件だけはお守りくださいませ。

 会場 :ホテル、スカイブルーホテル

 開催日:二〇一五年六月某日

 時間 :一九時                          

                            🍀💐💕



 ⁂仮面舞踏会招待状⁂


 💞✨☘️

 選ばれし淑女の皆様方へ———♡


 貴方様の未来に光あれ.:*:・☆💃

 ブルジョアとお付き合いが出来る、またとないチャンス

 夢のような今宵を演出致します。

 素敵な出会いがありますように!

 

 条件:年齢三十五歳以下の未婚の女性。


 会場 :ホテル、スカイブルーホテル

 開催日:二〇一五年六月某日

 時間 :一九時                                          

                 

                         🍀💐💕


 ◇◇◇◇◇◇◇◇

 世の中には千差万別、色んな人種や人々が存在する。

このベンチャー企業BESTの社長田所は、仮面舞踏会と銘打って富と才能は有るが、不慮の事故で障害を負ってしまった人々や、先天性の障害は有るが、才能と富の備わった人々の為の出会いのチャンスを提供する事業を展開している。



 同上に記したような紳士達は案外多く存在している。

 そして案外と出会いのチャンスに恵まれない人達も大勢いる。


 そんな出会いのチャンスに恵まれない人達の場として、開催されたパ-ティ―が、この仮面舞踏会。


 仮面で顏を隠しているので一見すると、ある程度高身長の見栄えのする男性ばかりだ。

 更に高収入の紳士という事でパ-ティ―会場は、女性たちの歓喜で沸き立っている。



 女性は女性でそれはそれは千差万別、色んな女性が存在する。

 一際目を引くモデルと言っても過言ではない程の美女、知性的な女性や極々普通の家庭的なお嬢さん等々。


 だが、こんな千差万別の女性達ばかりだが、大概の女性たちは天涯孤独の身の上。

な~んか胡散臭い。秘密がありそうだ?


 こうして仮面舞踏会は盛大に開催された。


 そして社長の田所が場内に響き渡るように乾杯の挨拶をしている。


「ようこそ皆様、この非日常的な仮面舞踏会『マスカレード・パーティー』にお越し頂きありがとうございます。何が起こるかわからない究極の非日常体験を皆様と体現いたしましょう。ドレスコードは十七~十八世紀の衣装でお越しくださいますようにと、記して置いた通り再現して頂きありがとうございます。中世ヨーロッパで夜な夜な行われて………」



 今度は祝杯の場面。


 社長の田所が「カンパイ!」の音頭を取っている。

 すると、会場の招待客の面々は個々に、好きな飲み物で一斉に祝杯をあげた。


 超一流のホテルと言うだけの事は有る。

 豪華なフランス料理のフルコース。


 更には各々カップルになり、オーケストラに合わせてダンスの何とも華やかな事。


 ワルツやルンバ、チャチャチャにタンゴ。

 今まさに、ホテルの『龍宮の間』に大輪の華々が咲き誇り、色とりどりのドレスに身を纏い舞い踊っているその姿は、薔薇の花が風に舞い、風に揺られ、天空を舞っているように美しい。


 だが、そんな華やいだ会場に暗雲が立ち込める。

 一体どういう事なのだろう。

 女性達は皆、目は虚ろになり立っているのも、ままならない状態に追いやられている。

 更には眠気を催す者まで現れ、会場の男性達はあたふたしている。


 ◇◇◇◇◇◇◇◇

 あの仮面舞踏会に出席して以来、招待された女性達の多くが行方不明になるという事態が起こっている。


 これは一体どういう事なのだろうか?







  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る