第31話 1つの決着

アイリ「..........」


ルクス(押してる.......のか?)


アカギ(どうも引っかかる、なんでこんなにも技が決まるの?)


2人はアイリから距離を置いて、牽制していた、先程まで戦闘で自分たちの技が不思議な程に決まるのだ、勿論決まる事には嬉しいが、相手は剣聖だ、ちょっとやそっとじゃ無理だと思っていた


ルクス(考えても仕方ないな)


アカギ(兎に角、このまま押し通る!)


2人は杖を合わせて技を唱える


ルクス.アカギ「「ブリザードII!!」」


これによりアイリの動きは完全に止ま.........


アイリ「.............」ニヤ


ルクス「!?」ゾクッ


アカギ「な!?」ビクッ


る直前に高速で移動してこちらに接近する


先程と同じやり方だが、唯一違うのは


アカギ「ガハァ!?」ドスッ!!


アイリが本気を出したことぐらいだ


ルクス「チッ!」サ....


杖を構えてアイリに向ける、それを見てアイリは瞬時に移動する


ルクス「アクセル!」ダンッ


アイリ「...........」


ルクスは自分自身に強化魔法をかけて、アイリの動きに対応しようとする


アイリ「.........遅い」ブンッ


ルクス「ガァァァァァ!!!」ブシュー


しかしそれでもアイリの方が速く、ルクスは背中を斬られた


ルクス「クッ」


たった一撃で形勢が逆転する、これが剣聖の力


ルクス(何故だ?アイリがいくら強いとは言え、魔王と少し戦える程度には強くなったはず)


そう2人は指輪の力で限界を超えていた、なのにアイリにはそれが通用しない、いや


アカギ(力が使えていない?いやそんな事はない.......だとすると)


アカギ「フラッシュ!」ぴかぁぁぁぁぁぁ......


アイリ「!!!」


ルクス「今だ!アクセル!」ブン


アイリが光でやられているうちに、アカギの所まで移動する


ルクス「アカギ、腕は大丈夫か?」


アカギ「門.....題.....ない......折れた......だけ」


そう言ってアカギは自身の腕とルクスの背中の傷を治した


ルクス「ありがとう」


アカギ「ん....」


そう言って、ルクスは前に出る


ガキィン!!!!


アイリ「!」


ルクス「そう何度もやられるかよ!」


杖を剣の代わりにしアイリの剣を防ぐ


アイリ「いい加減.......」


ルクス「クッ.......」


力比べをしている時に、アイリがボソボソなにかを言う


アイリ「早く...」


ルクス(マジかよ!力もあいつの方が......!!)


アイリ「死ねよ!クソがぁぁぁぁぁぁ!!!」


アカギ「ルクス!」ダッ


アイリ「邪魔だぁぁぁぁ!!!」ガスッ


ルクス「ゴホォッ!?」バキボキメキ


剣に弾き、ルクスの杖を空に飛ばし、蹴りを入れる


ルクスは自身の骨の軋む音を聞きながら吹っ飛ばされる


ルクスは吹っ飛ばされながら、自身に回復魔法を施し、飛ばされる反動を使って高速の魔法を放つ


ルクス「ライトニングⅢ!」バシュッ


アイリ「テメェもさっさととくたばれ!雌猫がぁぁぁぁぁ!!!!!」ブンッ


本気を出しても中々死なない2人に怒っているのか口調が変わる


アカギ「シールドⅤ!!!!」


アカギは、自身に防御の膜を貼り、攻撃を防ぐ


アカギ(まさかⅤまで使わせるなんて、本当の化け物ね)


彼らが使っている魔法にはⅠからⅩまであり、それに応じて技の威力、そして使用する魔力量が変わる


彼らは基本的にⅠからⅣの間で力を使ってきた、それ以上になると、魔力の減りも早く、尚且つ使用回数も少ない、ここぞと言う時以外にしかⅩ等は使えないのだ


アカギ(この考えはやめた方がいいか、この化け物相手にそんな事を考えて使えるなんて無理な話だったんだ。)


アイリ「ちょこざいなぁ!さっさとくたa」


バビュン!と音が聞こえた頃には彼女は吹っ飛ばされていた、先程ルクスが放った矢が音を超えて来たのだ。


ルクス「.......これでもまだ3割くらいか?」


2人が力を合わせて戦ってやっと3割、そして自身がたかが魔法使い程度にここまでやられる事に怒りが増し、更にその1人が自分の愛する人にそっくりな為、余計に腹が立っていた


アイリ「なんで!私の邪魔ばかりするのよ!私はただルクスと2人だけの世界に行きたいだけなのに!」


アイリ「なのにお前は、私の恋人とそっくりで!そいつはあれが本物だと言う!いい加減してよ!魔法使いの分際で私の邪魔をしないで!!」


先程までは黙っていたが、今度は叫び始める


アイリ「ルクス!ルクス!私のルクスは何処なのぉ!!」


そのせいなのか、アイリは目の前に敵がいるのにも関わらず、自分の愛する人を探し始める


それを見たルクスはある事を思い出す


ルクス(感情が乱れ始めている、これなら!)


それを使う事で、自分達は自由になり、尚且つ彼女も死なない、一か八か、やってみる価値はある


ルクス「アカギ!あれを使うぞ!」


そう思ったルクスはアカギにそう叫ぶ、あれと言って普通の人は何のことかわからないが、流石は2人、アカギは瞬時に理解した


アカギ「!!.....わかっ.....た!」


まずは奴の動きを止める


ルクス「バインドⅤ!!!」


アカギ「グラビディⅤ!!!」


アイリの体を拘束し重力で動きを止める、先程までなら簡単に解く事が出来るが、今は無理なようだ


アイリ「ガァァァァァ!!!ルクスルクスルクスルクスルクス!!!」


動けなくなり、愛する人の名を叫ぶ、その隙を見計らって2人は周りに魔法陣を展開し、魔法を使う


ルクス「今だ!行くぞ!」


アカギ「うん!任せて!」


その魔法は禁術として古くから伝わる魔法、使い方を間違えれば、自身にかかってくる諸刃の剣、しかし2人なら出来ると信じて2人は言う


ルクス.アカギ「「delete(消去)Ⅹ!!!」」


その魔法はその名の通り"消す"魔法、相手の存在をも消す事の出来る恐ろしい魔法だ


アイリは自身に何をされたのかわかっていないが、魔法陣の中にいて、周りが光っていることから何かしらの魔法を受けていると察して


アイリ「いやだ!ルクス!助けて!!助けてえ!!!」


そして彼女は光の中に包まれる


——————————————————————

モルトベール「あらあら、アイリちゃんやられちゃったわねぇ」


離れたところからモルトベールがニコニコしながら眺めていた


モルトベール「でも、幸せだったでしょ?アイリちゃん、自分の気持ちに素直になれて」


モルトベールの自身の心の鍵を破壊する行為で、アイリは壊れた


モルトベール「でも、ほんと人間って面白いわねぇ、まさかアイリちゃんにルクス君にあったらどうするの?って聞いたら」


その事を思い出してか、くすくす笑う


モルトベール「「両手両足を切断して私しか見れないようにする」なんて」


付け加えて、体を拘束し動けなくして、彼女がいなければ生きれないようにしたと言う


モルトベール「でもまぁ、終わった事だし、そろそろお暇しましょ」


そう言うと、モルトベールはその場から去ろうとする...............


リムル「やっぱりいたか、魔王軍」


しかしそこに勇者が現れる


モルトベール「あらあら、これはこれは」


アマギ「モルトベール、魔法の書でも書いてある魔族側の魔法使い」


更にアマギもいて、魔族の名前を言う、どうやら魔法使い達にとっては有名な魔族らしい


リムル「覚悟しろ?これで全てを終わらせる」


アマギ「私の大事な義弟があんな目にあったのよ?簡単に死ねるなんて思わないでね?」


そう言うと2人は武器を出して構える


モルトベール「あらあら、これはなかなか」


モルトベールは不気味に笑いながら、勇者達を眺める


——————————————————————


続く

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