婚約者を勇者に奪われたが別にどうでもいい

第19話 貴方の事を想って……

ルクスが目を覚ましたのは次の日の明け方だった。

ルクス「.........う......うーん......」

アカギ「！？ルクス！」

気を失ってから初めて聞く声にアカギは涙をこぼした

アカギ(よかった、よかったよ.......ルクス.....)

その叫び声に反応するかの如くルクスは次第に目を開いていく

ルクス「...........ここは？」ガバ

アカギ「ここ.......は.......私達.......の......部.........屋よ........」

ルクスは当たりを見回し、ここがどこなのかを尋ねる、気を失って、目を覚ましたら別の場所にいるのだ、当然だろう。

アカギ(やっぱり、人前だと上手く話せないな)

愛する人の前でさえ......いや、愛する人の前だからこそ、不安と緊張で上手く話せないのだろう

そんな事を全く気にしていないルクスが今の状況を尋ねる

ルクス「アカギ、俺はどのくらい寝てた？国の状況は？」

アカギ「ルク.....ス......は.......だい.....たい........半日.......寝て.......て、今.......国.....は大騒.........ぎ.......」

ルクス「.........成る程、リムルが国王に話したのか」

確かに外では今、人々の声が激しく聞こえる、叫び声に泣き声等、様々な声が聞こえる、それはそうだろう、魔王が直々にここに来たのだ、例え魔物達はどうにかなっても、魔王には勝てないだろう

アカギ「.........どう......する.......の.......」

ルクス「.........決まってるだろ？俺達も戦うんだよ」

つまり時間稼ぎだ、国王も知っているだろうだが、勇者達は今ここに向かう為に必死に頑張っている........しかし魔王達の考えが正しければ、数時間はかかると言っていた

ルクス(それが何時間なのかはわからないが、1日はかかる事はないだろう、そうなると長くても8時間か9時間)

今のオワイコットの兵力はざっと50万、数の上ではこちらが有利だが、それは人間同士の場合魔物相手だと約10倍の兵力がなければ安心して戦う事は出来ない

そうなると200万の人数が必要だが、そんなに数はいない、そうなると

ルクス(ギルドに所属しているものや戦闘向きの職業、つまり俺達も徴兵される)

その事を踏まえてルクスは話す

ルクス「アカギ、多分俺達も嫌でも戦うことになる、相手が相手だ、どんな理由があれ、戦う戦力が少しでも必要になる、そうなると魔法使いである俺達も前線か、もしくは負傷した者達の回復の為後方のどちらかになると思う」

アカギ「...................」

ルクス「正直に言って、俺は今魔王よりもアイリの事で頭がいっぱいだ、怖くて少し震えているんだ」

そう言って腕を伸ばす、すると小刻みに揺れていて、今この瞬間も元婚約者の恐怖に囚われているのだ

ルクス「こんな不甲斐ない俺と一緒にいたら........お前まで不幸になる」

ルクス「だかr......！！！」

アカギ「...................」

その先の言葉は、アカギの唇によって言えなかった

ルクス「アカギ？」

アカギ「...............！！！」

バチンッ

アカギは涙を流しながら怒り、ビンタした

ルクス「...........アカギ？」

いきなりのことで頭が働いていないのか困惑していると

アカギ「ばか..........」

ルクス「え？」

アカギ「ばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばか！！！！！」

アカギ「私がどんだけ心配したと思ってんの！私がどんだけ寂しかったと思ってんの！私が.......どんだけ......苦しかったと.....思ってんの！」ギュッ

アカギ「約束したよね？ずっと一緒にいるって、約束したよね？私の事を守るって、なのに、なのに、なんで！なんで！1人になろうとするの！」

アカギ「なんで一緒に行こう！って言ってくれないの！」

アカギ「なんで........なんでなの？.....答えてよ！ルクス！！！」

ルクス「ア......カ......ギ......」

多分今ルクスが思っていた事がアカギにはわかっていたのだろう、それが指輪の所為なのか、それとも似たような人生を歩んで来たからわかったのか、それは誰も答えられないが、アカギがここまで叫びながら言うのはそれほど彼の事を好きだからなのだろう。

今ルクスの胸元には泣きながら必死にしがみつき、絶対に離さないと言う強い意志が見えた。

ルクス「..............」

彼女はずっとそばにいてくれた、喧嘩もしたし、お互いに口を聞かなかった時もあった、けどそれでも仲直りしてもっと絆が深まっていった

最初の頃に出会った時ならここまではしなかっただろう。

彼が彼女の心を溶かしたから、今こうして自分の心の闇を救おうと彼女は必死になってくれている

ルクス「アカギ、ありがとう、もう大丈夫だ」

アカギ「本......当......に.....？」

ルクス「ああ、お前のお陰で少し吹っ切れたよ」

多分彼女が自分の目の前に現れたら同じ事が起こるだろう、しかし隣に彼女がアカギがいるなら、きっと乗り越えられる、そんな気がする。

ルクス「ごめんな、心配かけて、お詫びにこの戦いが終わったらケーキ奢るよ」

アカギ「うん......わかっ.....た、.....約束......」

ルクス「ああ、約束だ」

そう言って笑顔を見せる

アカギ「良かっ.....た......いつも.....の.....ルク......ス.....だ......」

ルクス「お前もいつもの口調に戻ってんな」

アカギ「///////やめ.....て.....恥ずか......しい.....」

あそこまで喋れたのは、気持ちが昂っていたからだろう、元の口調に戻り、顔を紅く染める

ルクス「はいはい」なでなで

アカギ「うー......いじ......わる.....」抱き

そんな彼女を弄りながら、アカギも満更でもない感じになる

ルクス「さてと、それじゃあ改めて言うよ」

そして、ルクスはもう一度言う、今度は違う言葉を

アカギ「うん」

ルクス「俺と一緒に地獄に行ってくれるか？」

アカギ「うん......どこ.....まで.....も......一緒.......に.......行く......よ....」

そう言って2人は覚悟を決める

これから起こる２つの災禍に立ち向かうために..........

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魔王城

アイリ「..........ルクス....」

私の婚約者.........

アイリ「........ルクス」

私の.............

アイリ「なんで..........」

あなたは............

アイリ「私を..........」

見てくれないの？

私はこんなにもあなたを\&@‘nbv

なのに貴方は私よりも:;&@“\(:/

だから私は貴方が私しか見れないように#{]~>^%€<

なのに私は!,,~$<~<>>

ああ、早く帰って貴方に会いたい、今までの!,:;<~{{]{<<,|{\\￡

ああ.....ルクス.......私は貴方を......

アイリ「愛しているわ」

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？？？「ふーん成る程ねぇ、中々面白いじゃないの......これは」

“利用”できるわねぇ

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続く