これを優しさと呼ばないのなら過ちでもいい

a letter

20. August

 人間とはどういう存在か。

 旅の間、よく議題に上る。


 彼は、感情を超え論理的な思考ができる存在だ、と定義した。

 私は、ときに論理や道理を超えて感情で動く存在だ、と考える。


 彼の意見は、予てより抱いていたものであるらしい。娘はその真逆の存在だそうで、だから失敗作と言っていたの

 私の意見は、二人の子供を育て、観察した結果に得たものだ。


 そういえば昔、リオが鳥の雛を拾ってきたことがあった。あのときの息子こそ、判りやすい一例だ。

 幼い子どもの行動ではあるが、目の前の情動に突き動かされた姿こそ、人間に見られるものだと私は考える。


 あれから幾年。子どもたちは大きくなった。

 何か変わっているのだろうかと、ときどき我が家に想いを馳せる。

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