クラス対抗戦⑤

140階層は氷山とその周りに凍った湖がある。

自ら作り出した氷の玉座にて自分に挑む挑戦者を常に青竜は待ち続けている。


誰もかのものが居座る玉座まで行くものはいなかった。

だがその日は違った〜。


トコトコという足音と共に矮小の身であるはずの人間が現れたのである。

青竜(ここまできたということは間違えなく赤竜を倒したはず。

   だがあいつは我らが竜種の中では最弱だ。

  ちょっとばかし遊んでやるとしようではないか。)


そう青竜が思っている頃和樹もまた青竜を舐めて掛かっていた。

和樹(あれえゲームの青竜よりこいつ絶対弱いやつじゃん。

   赤竜はゲームの赤竜より強かったから期待してたんだけど期待しなかったほうがよかったな。

あんなに青竜が低俗だとは思わなかったな。

ゲームの青竜はこんなことなかったんだけどなあ。

何でだろうなあ。

まあ考えても仕方がないか。

現実世界となったことによって何らかの変化をもたらしたのかもしれないからな。

まあどちらにしろ俺がやることはただ一つ。

目の前のモンスターを殲滅するだけだ。)


青竜「かかってこい人間よ。

矮小たるその身でここまできたことをそこそこ評価するが所詮はその程度。

我が力の前に屈さなかったものはいない。」


和樹「ごちゃごちゃこっちが黙って聞いてやってりゃうるさいんだよ。

        竜種

赤竜もそうだけど君らってお喋りが好きなの?

正直言って君の方が赤竜より弱そうだからね。

うっかり一撃で倒さないように気をつけながら闘うようにするね。

そうしないと楽しくないんだよね。」


青竜「貴様あ、竜種であるこの青竜を愚弄するなど万死に値する。」

【フリーズ】発動。

和樹「しっかし本当君ってビビリだよね。竜種じゃなくてただの大きなトカゲなんじゃないの。」

踏み込みと共に振り抜かれた拳は青竜の逆鱗を捉えドガッという音と共にまともにくらった青竜を吹き飛ばした。

青竜「ガハッ!オエエエエエ。」

青竜は血を吐き更に嘔吐までもしてしまった。


和樹「これで俺とお前の実力差がわかっただろう。

   次から喧嘩を売る相手を選ぶんだな。

  まあ次なんて当然こないけどね。」


青竜「ばっ馬鹿な。

なっなぜ我が固有スキル【フリーズ】で固定したダメージよりダメージが入ってるんだ。

【フリーズ】に異常があったのか?いや違う。

我が種族スキル【フリーズ】に異常など起こるはずがない。

だとしたら何故…」


和樹「確かに【フリーズ】には異常はなかったな。

   だがお前は【フリーズ】の弱点を知らないだろう。

  【フリーズ】はな固定した以上のダメージを受けると無効になるんだぜ。

  俺の与えたダメージがお前が【フリーズ】で固定したダメージよりデカかった。

それだけの話さ。

精々来世で活かすんだな。」


そう言うと和樹は青竜の鳩尾に手刀を刺してトドメを刺した。


システム音:春山和樹が青竜を倒しました。

     春山和樹がレベルアップしました。


現状確認クラス対抗戦の攻略(ソロ)


1位Sクラス春山和樹(140階層)

2位Aクラス豪炎寺太郎(93階層)

3位Cクラス獅童渉64階層)

4位Bクラス鎌瀬狗(38階層)

5位タイDクラス天乃光(36階層)

   Eクラス刃牙紘太(36階層)

   Fクラス石畳了(36階層)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る