第47話 任命式

 教会に着くと、人々が礼拝堂の前に集まっていた。

「おや、ずいぶんにぎやかだね、フローラ」

「はい、アルフレッド様」

 馬車が止まり、トレヴァーが馬車の扉を開いた。


「着きました、アルフレッド様」

「ありがとう、トレヴァー」


 フローラがまず馬車を降り、アルフレッドが続いた。

「やあ、アルフレッド様」

「アビントンさん!」


「今日はようこそおいでくださいました。とはいっても、俺もまだあんまり教会になじんでるわけじゃないんだよな」

 アビントンは少し困ったような笑顔を浮かべた。

 礼拝堂の前に集まった人々がアビントンに声をかける。

「アビントン、出世したじゃないか!」

「アビントンさん、教会を昔の教会に戻しておくれよ」


 アビントンは人々の声を手を挙げて制した。

「待ってくれ、俺にできることは精いっぱいするつもりだ。ただ、それには皆の協力が必要だ。俺に力を貸してくれるか?」

「わかったよ」

「俺たちも教会に顔を出すようにするよ」

「ありがとう、皆。それじゃ、俺はそろそろ任命式に向かうよ」


 アビントンは村の人々と話し終えると、礼拝堂の中に向かって歩き出した。

 アビントンが礼拝堂に入り少しすると、教会の鐘が鳴り、礼拝堂のドアが開いた。

 カイルとレイスが出てきて、皆に声をかけた。

「任命式が始まります、どうぞお入りください。中に入ったら、順に進んで、前方から座ってください」


 アルフレッドを見つけたカイルが言った。

「アルフレッド様たちは、特別席におかけください。私が案内します」

「分かりました」

 アルフレッドとフローラ、トレヴァーはカイルの後について、礼拝堂の前の方に進んでいった。


 皆が礼拝堂に入ると、入口の扉が閉まる音が重く響いた。

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