第10話 使い魔と魔力の関係

 夕食も食べ終わって寛いでいた。デーブルの上にはプレシャスがいる。

「昼間は使い魔について、迷惑をかけてごめんね。使い魔を教えてくれる?」

「アイ様はこの世界を知らなくて当然です。でもこの世界に住んでいる人間には、常識知らずと映ります。少しずつでも学んでください」


 ギルドメンバーからは、常識知らずと定着になりそう。ある程度は大目に見てくれるけれど、いつまでも非常識ではいられない。

「一つずつ覚えていく。そもそも使い魔は動物とは異なるの?」

「自然界には精霊が存在します。精霊にも種類が存在して一般魔法にも関係します。誰かと契約した精霊を使い魔と呼びます」


 一度に全部を覚えるのは無理がありそう。まずは使い魔からね。

「種類や魔法の関連性も知りたいけれど、使い魔についてもう少し詳しく知りたい」

「魔法や使い魔に関与する精霊が一般精霊です。精霊と言えば一般精霊です。一般精霊は強さによって、下位、中位、上位精霊がいます。通常は精霊が見えません。ただし中位と上位精霊は精霊魔に姿を変えられます。精霊魔は人間にも見えます」


 精霊魔は初めて聞いた言葉だった。

「もしかして精霊魔が使い魔と関係するの?」

「人間と契約した精霊魔が使い魔と考えれば分かりやすいです。精霊魔は動物などに似た姿で出現します。本来の姿とは異なります」

 プレシャスも精霊で本当の姿は異なるのね。


「ギルドメンバーは、私が使い魔持ちで驚いていたよね。精霊との契約は難しいの?」

「精霊は身近にいますが、使い魔にできる中位や上位の精霊は、人間が住む場所にいません。探し出すためには多くの魔物を倒して、知らない土地を進む必要があります。仮に精霊魔と出会えても、精霊が認めないと契約できません」


 思ったよりも大変だと分かった。精霊に会うためには多くの魔物を倒す。魔物を倒していない私が使い魔を持っていた。驚くのは当たり前ね。

「魔法が使える人間にしか使い魔を持てない。ハンター初心者の私に使い魔がいるのは異常とわかった。他人の使い魔を一緒にいるのを驚いていた。使い魔は主人にしか懐かないであっている?」


「使い魔は主人の言うことしか聞きません。魔法は一般魔法が使える人間です。そのうち限られた黒魔道士が契約できます。神聖魔法が使える人間は使い魔と契約できません」

 魔法を使える人間は半数くらいだった。使い魔を持てる黒魔道士も一部のみ。使い魔を持つだけで貴重とわかった。使い魔について、もっと詳しく知りたい。


「言葉を話せる使い魔は一部よね。他に特徴はあるの?」

「使い魔の能力は大きく分けて知能と戦闘力です。主人の能力が上がれば、使い魔の能力も上がる場合があります」

 契約時に弱くても強くなれる可能性がある。私は一般魔法を使えない。でもいつかは使い魔を持ってみたい。


「使い魔の能力を詳しく教えて」

「知能は言語です。戦闘力は文字通りに力です。契約直後では、半数以上の使い魔が戦闘に向きません。魔物退治には戦闘力の高い使い魔のみが活躍します。さらに一部の使い魔は巨大化できます。わたしも可能です」


「巨大化できるのも使い魔の能力なの?」

「契約した人間に依存します。使い魔は人間の魔力で契約が継続します。巨大化には多くの魔力を使います。一定以上の魔力がないと巨大化できません。魔力の量で巨大化も何段階かにわかれます」

 マスターのコララレさんには使い魔がいる。能力は高そう。


「魔力は人間の体内にも存在しているの?」

「何処にでも魔力はあります。魔力自体に属性はありません。魔法を使うには、体内にある魔力を対価として精霊に与えます」

「魔法と精霊の関係は、この前教えてもらった内容ね。魔法には六属性あったけれど、精霊も六属性いるの?」

「アイ様の考えている通りです。精霊は魔力が活動の源です」


「魔力は重要なのね。人間は精霊に魔力を与える。なくなったりしないの?」

「魔法を使えば魔力が減少します。魔力が極端に減ると体が動きません。休憩すれば自然界から魔力が体内へ入って回復できます。ただし魔法では魔力を回復できません」


「私は宝石魔法を使っても疲れを感じなかった。魔力は自然回復しか方法はないの?」

「薬草とポーションがあります。どちらも植物を素材にした薬です。ポーションは神聖魔法を付加して完成します。威力が高く効き目も早く現れます」

 魔物退治で魔力切れは致命的よね。宝石魔法は魔力を消費するか不明だった。でも知っていて損はない。休む以外に回復手段があってよかった。使い魔と魔力がわかった。


「だいぶ勉強になった。またあとで私の知らない内容を教えてね」

「疑問があればいつでもお聞きください。わたしは昼間の宝石魔法を知りたいです。剣に六本の光がらせん状にまとっていました。何か理由があるのですか」

「スタールビーという宝石が元よ。宝石の中に六条の星が見えるのよ。針状の結晶が原因で見られる現象ね。他の宝石でも見ることができる」


「宝石に関連していたのですね。ルビーについて他にもありますか」

 プレシャスが宝石に興味を示してくれた。じっくり話すには場所を変えたい。

「残りは寝室で話すね。寝るまで語り尽くそうね」

 プレシャスを連れて寝室に向かった。時間を忘れて宝石を語り合った。

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