メイドとお嬢様。お嬢様とメイド。

 マリエとリンレイ──通称リン。この二人が徐々に心を通わせていく過程がとても良かった。


 機械的に、ただ一人のメイドとして生きてきたリン。
 最近ワガママ気味になってきたマリエ。
 最初は高圧的だったマリエが、段々とリンに歩み寄り、いつしかリンもマリエに心を許していく。読みながら思わず微笑んでしまった。

 詳しくはネタバレになるため伏せるが、リンがマリエのことを全く恨んだりせず……最後にリンがマリエのことを「友」という風に呼んでいたのが、個人的にとても嬉しかった。
 リンのこれからの人生が色鮮やかで、幸せなものになるよう、私は願うばかりだ。