19歳以上、お断り!?

ハル

第1話 大 借 金!

「ただいま〜……つーか!暗っ!!」



「………………」



アパートに帰宅。



「まだ、誰も帰っていないのかな?」



取り敢えずキッチンの所の電気をつける。



パチッ



「うわっ!ビックリした!ちょっといるなら電気くらい……」


「優奈(ゆな)…済まない」



父親が突然謝る。



「えっ?何?急にどうしたの?」


「優奈……パパが…」と、母親。


「パパが何?」




その時だ。



ピンポーン…



インターホンが部屋中に鳴り響く。




コンコン…


部屋のドアがノックされる。




「はーい」



カチャ


ドアを開けるとスーツを着た男の人が2人立っていた。




「あのー…どちら様…?」


「戸西 秋彦(こにし あきひこ)さんの借用書でーーす」



そう言うと私の目の前に、これでもか!?位の至近距離で見せる。



《近っ!》



そう思う中、借用書と思われる紙を見る。




「借用書…!?…1……10…100……1000……ん?…1億5千…万…?あのーー……これ…何かの間違い…桁数、間違ってませんか?合成とか?今は良く出来てるし。嫌がらせなら辞めてもらいます?失礼しま……」



ドアを閉めようとする私に対して、手足でガッと止められる。




ビクッ



「何ですかっ!?警察呼び……」

「お嬢さん!事実なんですよ!」



言い終える前に、言葉を遮られるように言われる。




「えっ…?」


「君のお父さんの会社が倒産してしまってねぇ~、あなたの家族含む沢山の従業員の方が連帯保証人となり借金背負う事になっちゃってねぇ~」


「…倒産…?…借金…?…保証人…?」


「ともかく、これ受け取ってもらえるかな?来月から10万ずつ振り込みをお願いするよ。それとも引き落としが良いのかな?」



「ちょ、ちょっと待って下さい!10万って……」


「じゃあ、頼んだよ」



帰り始める。



「こんな父親を持つと娘さんも大変だねぇ〜」

「それじゃ宜しく頼むよ」




スーツ姿の二人は帰って行った。




「…………………」




「…嘘…でしょう…?」



「…済まない…優奈…父さん死んでも償えきれないけど…一家心中でも…」


「死んでどうなんの!?」


「…優奈…」


「死んでも償え切れないなら死んでも意味ないじゃん!つーか!親戚とかにも迷惑かかるんだからねっ!返すしかないじゃん!私もバイトするし!協力して生きなきゃ……ねっ!」



「…優奈…本当に済まない…」




両親は泣いた。




戸西 優奈(こにし ゆな)。16歳。春。


まだ、高校生になったばかりの私達、家族は、父の借金を抱える事になる。


1億5千万という大借金を――――











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