海賊のジェシカ

 Side ジェシカ


 どーもどーも。

 ジェシカです。

 たった三人の海賊団の船長やっています。

 

 長いピンク髪にそこそこある胸。

 昔、絵本読んだ海賊ファッション、下はスカートにさせてもらったけどね。


 それはそうと私は今、遠い海から軍艦街を見渡しています。

 軍艦街は私の故郷。

 先日大規模な戦いがあったけどどうにか切り抜けたみたい。


 だけどそんな町に忍び寄る影が――


 今の時代は昔の言葉で弱肉強食。

 

 弱った大きな獲物に襲い掛かる海賊は数多くいる。


 正直むかつくけど考えようによってはこれはチャンス。


 早速行動に移すことにした。



 Side 加藤 佳一


「おーやってるやってる」


 コロッセウムほどでもないが、この世界でもパワーローダー同士の戦いと言うのは人気らしい。


「他にもレースとかも人気かな? 海にも潜れるパワーローダーで競争するの」


「そっちも興味あるな」


 あんな騒ぎあったのにもう活気で溢れている。


 よくも悪くもこの世界は死と隣合わせだ。


 命の取り合いなど慣れっこなのだろう。


 ――などと思っていた時だった。


「なんだ!? サイレン!?」


 サイレンが鳴り響く。

 またウォーバイソンでも来たのかと一瞬思ったが――


「海賊だ!!」


「こんな時に着やがった!!」


 海賊と言う単語に一瞬「!?」となったが――


(こんな世界だし、海賊ぐらいいるよな)


 と、俺は思うにいたる。


 町から一歩出れば蛮族や化け物どもが死ぬほどうろつているような世界だ。

 海賊ぐらい普通にいるだろうぜ。

 

 それはそうと、一旦マヤ達と合流することにした。



 マヤ達と合流はして、パワーローダーを身に纏ったができることは少ない。

 

 なにしろ敵は海の上か海の中だ。

 

 こちらは戦車とパワーローダーだ。


 致命的に相性が悪すぎる。


 アーミーズシティの空中戦闘型のパワーローダーも出動している。

 軍艦街の人々も元から水陸両用だ。


 今回ばっかりはじゃんけんの相性みたいなもんだ。

 戦場の端でがんばることにしよう。


(と、思っていたんだがな!!)


 敵のパワーローダーが次々と上陸してくる。

 ゲテモノ感満載のデザインで宇宙からの侵略者と戦っているような気分だ。

 

 続けて巨大なカニやらサメやらワニの化け物まで上陸してくる。

 タコやイカまで現れて潰し合いまでする始末だ。


 軽く地獄である。


『サメハンターとしての意地を見せてやる!!』


『この土地でサメを狩り続けた男の力だ!!』


 などと行ってチェーンソーでサメの化け物に襲い掛かるパワーローダーを身に纏った海の男達。


(サメハンターとはなんなんだいったい・・・・・・)


 と思いつつ俺もマヤも海の化け物や海賊を相手に戦うことにする。

 

 今回俺が身に纏うパワーローダー、海外のゲームに出て来そうなやや厳ついパワード―スーツ、SSー15は実体弾のアサルトライフルにシールドと標準的な武装だ。一応バズーカは持ってきている。


 前回ウォーバイソンが襲撃してきた時みたいな重武装ができればいいが俺達にも生活がある。


 毎度毎度あの装備では出撃できない。


 それはそうと海賊の数が多い。


 海賊と言っても大型の船に大砲を大量に載っけてと言う感じではなく、民間の漁船とかに武装を載っけて魔改造して運用しているような船が多い。

  

 その周囲にパワーローダーがいる感じだ。


(こちら側の戦力を考えれば倒せるだろうが・・・・・・)


 だがウォーバイソンとの決戦を控えている。

 あまり戦力を消耗させたくない。


『へいへーい!! お困りかなレーディース&ジェントルメン!! 海の女海賊ジェシカ様のお通りだよ!!』


 なんか来た。


 その海賊船は一見するとドクロの後ろにハートマークがついた白いマスト。

 ピンクの木造船風の外観。サイズは大型トラックぐらいのサイズだろうか。

 望遠カメラで見てみると船内の見晴らしの良い前方の打輪部分にアニメに出てきそうな長いピンク髪のミニスカ海賊ファッションに身を包んだ女性がいた。

 

 見掛けによらず凄いスピードで次々と側面部に備え付けられた大砲を発射し、時には体当たりすらかまして敵を倒していく。


 なんだアレは?


『聞こえる!? ケイイチさん!?』


『うん? アーニャか?』


 通信機から声がした。

 この騒動で別行動していたが無事なようでなによりだ。


『ジェシカを協力してあげて!! 船にピンクのドクロにハートのマークを掲げた人!!』


『まじかよ・・・・・・』


 一体どう言う関係か知らないが味方らしい。

 あのドぎづいデザインの小型海賊船の、ミニスカ女海賊がである。


『ケイイチ。海賊ってあんななのか?』


 マヤが戦車から通信してきたが俺は「この世界の海賊は知らん」と返しておいた。

 たぶんあのミニスカ女海賊が異常なんだろう。


 ともかく言われた通りに一緒に迎撃することにした。

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