あの人は変だけど頭いい人

 Side 名無しの少女


 黒髪で私と同じ肌色で、背がある男の子。

 かとう けいいちって言う名前らしい。

 あったあの日からずっと黒いがくらんと言う服を着ていて何時も重たそうに旅に役立ちそうな物を沢山運んでるの。


 この旅の中で出会ったあの人は変わり者だったの。


 私もよく変わり者って呼ばれるけどきっとあの人も変わり者だと思うの。


 あの人は色々な事を知ってるけど私が知っているような事でも知らないの。


 だけどとってもとっ~ても優しい人。


 特にやりたい事もないから私はその人についていったの。


 そして色んな事を沢山教えて、色んな事を沢山教えてもらったの。


 最近の楽しみは本を読んでもらうこと。


 私は文字が読めない。


 だから集めた本を読んでもらったりするの。


 他にも集めたガラクタがどう言う物か教えてもらったり、それで遊んだりするの。


 オセロやトランプとか沢山遊んだりしてそう言うの生まれて初めてだったの。

 

それで何時もあれこれ難しいこと考えてて自分のことだけじゃなくて、私のことも考えてくれる。


 そんな 彼は何処から来たんだろう?


 たぶん私よりも綺麗でステキな場所に住んでたんだと思う。


 だけど迷子になって元の場所に帰ろうとしているんだと私は考えるんだけどね、なにか深い事情があって簡単には帰れないと思うの。


 最初に出会った頃は大変だったの。


 まるで大きな子供みたいで泣き叫んでいたの。


 だけど時間が経っていくにつれて段々と今みたいに――あの人の言葉を借りれば「現実を受け入れ始めた」んだと思うの。

 

 とても頑張り屋さんで偉い子なの。


 だからほっとけないと思うの。


 一緒についていくの。


 私なんかが役に立つかどうかは分からないけど明日、死ぬかもしれない世界だからやらずに後悔はしたくないの。


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