第14話 何もかも変わってしまった

この頃かもしれない

何もかもがのは

もっと早くに気づけば良かったのかもしれない

振り返ったって後の祭り

気づくのに遅すぎたんだから


新しい土地で

母親が自分に虐待する数も度合いも増え

両親が喧嘩する数も増え

新参者の自分は学校で虐めを受けた


『どこが……自分の居場所なんだろう』

『もう死んでしまいたい。生きたって意味が無い』

そんなことの繰り返しだった


父親の帰宅も毎回遅くて

帰宅の連絡さえしなくなった


「ただいま」

「何回連絡したと思ってるの?」

「……寝る」

「ご飯は?」

「要らない」


「(疲れが溜まってるのかな……?お疲れ様、お父さん)」

でも現実は違っていた


「あれ?何か焼酎の匂いがする」

父親はお酒を呑むようになった

少ししか嗜んでいた父

そこから気づければ良かったんだ


「今からコンビニ行くけど」

「お酒呑んでるじゃん」

「そこまでだからいいんだよ」


呑んでから出かけるようになった父

本当は良くないのに


「蛇行運転してる!!危ない!!」

「んぁ?大丈夫、大丈夫」


父親は無口な人だった


「昔はなぁ~」

「はいはい。それ何回も聞いた」

「そうだっけ?」


お酒を呑む度に多弁になった

何回も同じ話をされて凄く嫌だった


「またお酒の匂いがする」


お酒の誘惑に誘われてしまった父親

暴力に目覚めた母親

それに参ってしまった自分


何もかもが変わってしまった

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