老いるということは誰もにやってくる

孫と祖母の会話を、その間にいる母の視点から描いた物語である。
子供というのは純粋であり、無邪気であり、だからこそ予想もつかないことを言ったりする。それは時に残酷なこともあれば、誰かにとって救いになることもあるのだろう。
祖母にとって「老いる」ということは目を背けたいことであったかもしれない。誰もに平等に、理不尽にやってくるそれは、どう足掻いても避けられはしない。
けれど孫の純粋な「きれいねえ」という言葉は「自分もなれるか」という問いは、きっと祖母にとっての救いの灯火になったのではないかと思っている。
年を重ねることも、悪いことばかりではない。嘆くばかりのことではない。
最後に希望が見えるような物語です、ぜひご一読ください。

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