62日目(6/14)紫陽花完成&インタビュー公開

 6月14日。今日も雨。


 今日は午前中に起きて活動開始。絵を完成させようと、イーゼルと絵の具セットを取り出す。最初は影を深く塗るところから。

 途中でお昼ご飯をはさみ、絵を乾かしている間、おじさんと二人でおでかけ。島の最南端の岬と、その近くにある港を見に行く。まっすぐの国道を抜けると、田んぼ沿いの道に入り、それからは山道。古い車はアクセルベタ踏みじゃないと坂道を登れない。ぐねぐねの道をのんびり走り、まず岬につく。バック駐車が一発でできた。海風が心地よく、景色がよい。晴れていればもっと眺めがよかったのになあ。

 岬から港までの道は、嘘みたいなところを通った。まず、舗装されていない。砂利道である。道幅は車一台分くらいしかない。右も左も草木に侵食されており、わだちの間の部分も草が生い茂っている。トトロにこんなところ出てきたかもしれない。「うそでしょおおお」と言いながらガタガタ車を走らせる。農道か何かのようだが、本当に道なき道である。いや道ではあるのだが。車を走らせていると、頻繁にフロントガラスに枝が当たる。

 港につくと、フナムシの群れ。壁にも地面にもびっしりである。車が通るのにタイヤの下で逃げ遅れた奴らがぶちぶちはじける音が聞こえる。

 怖気づく私をよそに、おじさんは車から降りてどんどん先に行ってしまう。おじさんが通るのに合わせて、フナムシがさーっと左右によけていく。さながらモーゼの海割りである。

 外海とつながっている港は、ざぶんざぶんと波が打ち寄せ、まさしく荒波だった。磯におりると、水の澄んだ潮だまりにいろんなのがいた。ヤドカリ。小さな貝。にょろにょろしたヒトデ。ちっこいカニ。メダカくらいのサイズの魚。熱帯魚っぽい青色の小魚。

 ひととおり堪能して帰宅。帰りの道は舗装されているというだけで安心感がすごかった。

 今日の運転は、おじさんから80点をもらえた。高得点の理由は「マイペースを維持して走れていた」ことだそう。


 その後は絵の仕上げにとりかかる。夕方ごろ完成し、それからはまったり。夕ご飯(なすと鶏肉のパン粉焼き)を食べ、少し休憩。その間に、4月に受けたインタビューの記事が公開されていた(よければ読んでください。コミュ障なりにがんばってしゃべりました)。

 スマホを見ながらごろごろし、さてそろそろ洗い物しなきゃなあ、という折り。

 ばあちゃんがバタバタと走って来る。


「ハネアリ来てるよ!」


 ハネアリ。雨上がりの風のない日、光あるところに大群で押し寄せるという恐ろしい虫である。

 それからはてんてこまい。家中の窓という窓を閉め、電気という電気を消し、一番奥の部屋にこもってじっとする。スマホも使えない。テレビもつけられない。やることがないのでみんなで「私は誰でしょうクイズ」をしていた。


 これは私が出した例題。


1、私は溶けます

2、私は冷蔵庫にいます

3、私は牛から生まれます

4、私はおいしいけれど、めっちゃカロリーが高いです


 私は誰でしょう?


 ちなみに答えは「バター」。のつもりだったが、弟が「牛脂!」と言ったので、別解でそれも正解とした(確かに間違ってはいない)。


 やっとひと段落してから洗い物をし、部屋に戻る。今日は濃い一日だった。

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