第2話 眼科

 糖尿病の治療が始まって、合わせて眼科にも行くように勧められた。


 糖尿病は、合併症として『糖尿病性網膜症』というのがある。


 何となくの知識はあったので、すぐに眼科にも行く。


 眼科では網膜の写真を撮ったり、眼底検査をしたりした。

 先生の話では、この網膜症は血糖値が高くなった時だけではなく、血糖値が急激に下がった時にも起こる可能性があるという。怖い。


 診てもらった感じだと、今は何ともないらしい。


 この診察は糖尿病の本来の外来と違い、半年に一度ぐらいの頻度でいいらしい。

 だからこそ、内科の検診と違い確定日の予約をしないで、つい次回日を忘れそうになる。


 怖い病気だという事は分かっているのだけど、今の自分にとってはまだまだ大丈夫という変な自信を持ってしまう。


 しかも私の場合は、抗がん剤が原因でなったんだから、不摂生さえしなければ糖尿病を卒業できる日も遠くないと思ってしまっていたのだ。


 ところが私は薬が増えたり減ったりしながら、五年も治療が続いているのだった。

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