第6話 愛だとか言って


傷つけられたものがある

愛だとか言って殴られた

私の大事な自由と強さ

打ちのめされた全てはあいつのせいだ


愛だとか言って縛られた

聖書の角で死んでしまえばいい

祈りなんて要らない

不自由な愛なんて要らない


私の奥底に眠る

致し方なく葬り去られた愛と全て

そんなものと言って殴られた

愛だとか言って奪われた


愛があれば何をしてもいいのか


私は手放した

君とのことと大事な私のこと


愛しているから手放して

きっと君を傷つけた


奪われた君は自由を失って

片足を引きずりながら生きている


私はといえば殴られて縛られて奪われて

自分の一番がわからなくなっている


このまま愛だとか言って終わらす気か


自分に問う


愛だとか言って考えることをやめるのか


もう消えた時間は戻らない

もう私は自分に帰れない

森の中へ湖の底へ月のある丘へ

帰れない


愛だとか言って人間はそれを知らない

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