自ら答えを探して初めて、己は自我を獲得する。

外の世界に関心をもつことが『生きる』とするのであれば、関心がなくなれば、それは己の『死』を表す。てんで周囲に関心のない主人公も、彼女にだけは興味を示し、彼女の言葉を飲み込んでいく。だからこそ、自分が追い求めるのではなく、彼女から解が与えられてしまえば、がらんどうになってしまう。

「なるほど」という言葉を上手く使っていて、読みながら感嘆の笑みがこぼれるほど凄い好みの作品でした。
次作も楽しみにしております。

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