リラを奏でよ

翡翠色の太陽が嘲り

乳白色の大洋は嬲る

瘴気を噴き出す学舎には

深海魚しか生きられぬ

あゝ人よ、リラを奏でよ!

そのこころの翻訳のために


臙脂の陽炎が死んだ

灰色の逃水は押し黙る

破片の煌めく家路には

煙草呑みしか生きられぬ

あゝ人よ、リラを奏でよ!

数多の傷を知るために


琥珀色の明日は囁く

錆鼠の昨日が手を曳く

憐憫の満ちる砂浜には

捨てた指輪しか生きられぬ

あゝ人よ、リラを奏でよ!

ただ一つ句点を打つために

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