日替わりの許嫁は変わり者ばかり

サトリ

第1話 幼馴染と妹が決めたルール

 俺、朝倉あさくら 悟吏さとしは美少女幼馴染で許嫁の柏野かしの 美優みゆと武闘派でスタイル抜群、兄大好き妹の朝倉あさくら じゅんと俺の両親の五人で暮らしている。


 ある日曜日の朝、俺の事でいつも言い争っていた、美優と純が何やら話し合っていた…。

「美優お姉さま、過去改変しましたよね?今回はなんで、私とか恋歌お姉さまを同じ年齢で同じクラスメイトにしたのですか?」

 過去改変の事実を知っているのは俺たち三人のみだ。俺が美優の側にいると発動できるチート機能、神の領域の能力らしい。前に美優が話していたけど、行った事が姉の恋歌れんかにバレると自分は殺されると言っていた。


「私とお前の勝負だけでは、私が圧勝してしまう。前の世界でポンコツの桜庭さくらば 聖奈せいなに悟吏を取られて、私たちは負けたろ?まあ、譲ってやったから負けたのだが…。」

 美優は三年の聖奈さんと結婚まで至った俺の事を話しているみたいだ。


「そんな事、どうでもいいですよ。どうして、四人でお兄ちゃんの彼女になる権利を取り合うの?」(四人?なんの話をしているんだ?)


「許嫁を交代制にしてみたら、絶対、面白いだろ?お前は何曜日がいい?妹だから先に選ばしてやる。」


「美優お姉さま…お兄ちゃんの事、興味ないでしょ?私もお兄ちゃんの事、そこまで好きじゃないんだけど…。」

(二人とも、俺をなんだと思っているの?悲しいんですけど…。)


「まあ、そう言うな、お前は私に勝ちたいだろ?だから、兄を全力で取りに行くんだよ。私がお前に負けを認める瞬間を、私の土下座が見たいだろ?」

 美優は妹の純を煽り続けていた。


「それは見たいです。じゃあ、私は木曜日がいいです。お姉さまは火曜日にしてください。それでもあなたなら、余裕でしょ?」

 二人が曜日を決めているが、何の話だ?


「良かろう。もっとも面倒な私を印象が残らない中間の日に入れるとは、策士だな、純よ。あとの二人はクジで決めてやろう。」

 そう話すと二人は楽しそうにあみだくじをやっていた。


 うん、美優の発案と言うことは嫌な予感しかしないな、何の事かを問いただしてやろう。

「美優、純。二人で何の話をしていたんだ?」と聞いてみた。


「あっ、ちょうどいいところに…。今日までは私が悟くんの許嫁で恋人だったけど、月曜日からは交代制にするから。」(はっ?)

 美優が謎の恋人ルールを持ち出して俺に告げた。


俺は何の話か?を詳しく問いただしていると、

「一週間、この顔ぶればかりはストレスになっては大変でしょ?だからね、四人のうち、誰が一番良いかを決めてもらうの。金土日はフリーにしておくから一緒に過ごしたい女性を指名してね?」


「あと、そこのウザい妹は兄妹だし、どの日でもいるから我慢してね?」

 美優は何気に妹を攻撃し始めた。


攻撃された妹は冷静な態度で俺に話してきた。

「お兄ちゃん。分かっていると思うけど、美優お姉さまは自分の快楽のみ優先する変態なの。いくら見た目が良いからって騙されないでね。」


 妹よ。俺からするとその美優を負かしたいと言う目的だけのためで悪巧みに加担するお前もなかなかの快楽主義者だと思うぞ。それに知っているぞ俺は、その四人中、お前たちを含めた三人はヤバい奴だと言うことを…。


「残りの二人の常識を改変しないといけないからな。今晩はたっぷりと可愛がってくれよ?悟くん?」

 隙をついてこの快楽犯罪者サイコパスから逃げよう。俺がアイツから離れたら改変能力は使えないはず。柏野家に乗り込んで、美優の姉の恋歌さんに言い付けてやる。


 そして俺は抵抗するそぶりを見せずに午前中は美優に優しくしていた。昼ご飯を作っていた頃、家のチャイムが鳴り、美優の姉の恋歌が家にきた。

(チャンスだ、恋歌さんに言えば、この計画は頓挫する。)


「恋歌さん。今日はどうされましたか?普段は俺の家に寄り付かないのに…」

 この人は俺に興味が無いから家になんか来ないはず…。どうしてかな?


「悟吏!今日は特別にお前に会いに来てやったのだ、ありがたいと思え!」

(恋歌さん、俺に会いに来たなんて…なんか変ですよ?まさか!)

 美優の奴、実の姉に何かしやがったな。いったいなにを…。


「おい、美優。恋歌さんに何をしたんだ?」俺は美優を問いただしてみた。


「いや?ただ、私の恋愛感情と恋歌お姉ちゃんの恋愛感情を入れ替えただけだよ?私はお前を好きすぎて毎日辛かったから、お姉ちゃんにも味わってもらおうと思って…。」

 美優よ、それはかなりの常識改変だぞ?つまりあれか?今、俺の目の前にいる、恋歌さんは俺の事が好きすぎなのか…。それ、マズイじゃん。


「姉はお前への愛の拗らせ方がスゴいぞ?何て言ったって妹の許嫁を好き過ぎる女になったんだから…。」美優はこうなることを予想済みの様だった。


すると、俺の目の前にいる、拗らせお姉ちゃんは、

「お前!私は義姉になる人間だぞ!そんな態度が許されると思うのか?」

 彼女は俺に迫ってきて何かを求めだした。


「恋歌さん、冷静になって…今から二人で話しませんか?」

 俺はすべて、美優の仕業だと言いつけることにした。


それを聞いた恋歌さんは

「美優、お前の許嫁を借りるぞ。構わないな?」妹に許可を取り出した。


「大丈夫だよ?お姉ちゃん。どうせなら部屋で話をしなよ。」

 美優は二人で話すチャンスを与えてきた。

(余裕でいられるのは今のうちだぞ。美優。)


「恋歌さん俺の部屋で話をしましょう。」

 俺は美優の悪事を阻止するため、恋歌さんを俺の部屋に連れて行き、話をするつもりだった…。

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