第25話

3人はステーキ屋ではしゃいでいた。今日の旅以来、いつ食べられるかわからない代

物である。ステーキが来て最高潮に達した。


「上手いが固ぇーなこの肉」


俺はフォークで持ち上げてかぶりついていた。


「なかなか切れないん…」


アン子はまず肉を切る事自体、苦戦中である。


「だから柔らかい肉を頼めばよかったのに」


すみれは柔らかい肉を心得ていたので、ナイフとフォークでお上品に食べていた。


「前もって教えてくれよ~そういうことは」


「本当はね、牛肉より豚肉の方が栄養価が高いの知ってる?だから医者は豚肉を…」


2人はすみれのうんちくも耳に入ってこず、肉と格闘していた。


何とか平らげると、お腹が物理的に膨らんでいる。


「満足だ」


「…なの」


「なかなか美味しかったじゃない」


すみれはハンカチで口周りを拭いている。


「明日の予定を言おう!」


俺は仕切りだした。


「俺は午前中は銃を撃ちにいく。そのあいだ2人は良い場所にパラソルを立てて、泳いでいてくれ」


「えー私はキョースケと同行したいんだけどぉ」


「すみれは銃を撃てないだろ⁉すみれはいい姉貴になって、アン子と荷物を見ててくれ」


「しょうがないわねぇ…。全くもう」


「よし決まった!宿に戻ろう!ゴチになります!」


「ますの~」


そんな下らない話をしながら宿に戻った。すみれはTシャツを脱ぐと水着になる。


「着替えるから2つ目の部屋にいきなさい!」


2人は素直に隣の部屋に入って待っていた。


するとすみれはパジャマ姿でやってきた。


「キョースケ用のパジャマもあるわよ。じゃあそういう事で私とキョースケは同じ部屋で寝るから、チビは隣の部屋で寝なさい」


アン子は心配そうに俺をみつめたので、


「大丈夫、ただ寝るだけだから。また明日にな」


腹がいっぱいになったからだろうか。眠気が襲ってきて、そのままベッドに包まれながらそのまま眠りに入ってしまった。







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