第20話

グァムへ行く当日。


俺たちは軽めの荷物を手に、学校の授業中に金髪とも合流し、こっそりエスケープした


「車を校庭横につけてあるから、それに乗るわよ」


車に乗ると、黒いスーツの男がジュースのようなものを金髪に渡した。すぐに金髪は飲み始める。


「何飲んでいるんだ?」


「ハックのミルクシェーク。庶民の飲み物で数少ない、好きな飲みものの1つよ」


「あっそ」


「2人とも荷物少ないわね」


アン子は下着と水着とタオルしか荷物がなかった。俺も似たようなもんで、軽い荷物で差し支えなかった。パスポートも2人で確認し合った。


「私の荷物は車のバックに詰め込んでいるから」


2泊3日の旅行なのに、どんな荷物持ち込んでるのか。


車で無事、空港に着いた。黒服は金髪のおっきなケースを代わりに持っていた。


3人はマスク姿で広いロビーに辿り着いた。


「やっば、時間ないわ、飛行機に乗るわよ」


「飛行機初めてなん!」


アン子は久しぶりに喜んでいる。まあ俺も俺で乗るのが初めなので胸が高まっていた。


パスポートを見せ、荷物検査を終えて飛行機内に乗った。


「何で鉄のかたまりが飛べるん?」


「…なんでだろうな。分からん」


「ちょっと!なんで2人で座ってるわけぇ?チビはこっちの席よ!」


無理やりアン子を引きはがし、代わりに金髪が俺の隣に座る。アン子は不思議そうに窓を眺めていた。


金髪は俺と腕組みしながら、


「楽しみねぇ!ビーチで財布を取られなくないから、あのチビに留守番しててもらおうかしら」


「留守番は俺とアン子でローテーションする」


金髪は少しムッとしたが、腕を組んでまた上機嫌に戻った。


機内の食事も済ませ、数時間かけてグァム島に到着した3人。早速カラッとした熱さに2人は興奮していた。


「カラッとしてるから、熱くても気持ちいいなぁ」


「早速タクシーでホテルに行きましょうか」


ホテルは海のすぐ前にある豪華なホテルだった。


まんざらではない顔をした金髪は、


「1日目はビーチだけど2日目は自由行動でいきましょうか。シュノーケリングしたり、銃を売ったり、おみやげ屋を回ったり」


「本物の銃が撃てるのか⁉」


「キョースケなら撃てるでしょうね」


俄然胸張りで金髪は続けた。


「電話連絡は、らぁいん通話にしましょうか。夜前だから、早速ホテルの部屋へゆきましょう」


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