これからの予定


とりあえず、ここいらで俺の目標を説明していこうと思う。

現在、霧島恋の救出によって彼女の生存が確定した事で、『地区戦争編』を回避した事になる。

それに従い、『地区戦争編』以降の原作ルートが崩壊した事はほぼ確定的だ。


それでも、彼女が関係しない他のイベントも存在する。

それが、今から三か月後に行われる『狩人協会陥落編』である。

この狩人協会陥落編。掻い摘んで説明すれば、狩人協会に化物が大量発生してしまい、本部襲撃による大被害を被る事になる。


ちなみにこの化物大発生は回避する事は出来ない。

何故ならばその発生源は地中からであり、ある化物が地中を掘り進んで移動しているからだ。


『空母戦蟲』。

芋虫の様な体をした大型化物。ファンブックでは闘級は特級とされている。

掘り進んだ土を体内に吸収し、養分として体内に孕む化物を育成。

年に一度、孵化した化物を放出する為に地中へと出て生体となった四級~二級相当の化物を大量に地上へと放つ。


推定総数は七千体程、そして『空母戦蟲』は千分の一の確率で一級~特級相当の化物を誕生させる。

つまり狩人協会本部にて最低でも特級相当の化物が複数体で襲撃してくるのだ。



この存在はいわば大自然災害の地震と同じ様なもの。

更に作中で説明されているが『空母戦蟲』は地中に穴を作って移動している為に地盤が不安定な状態となっている。

その状態で爆弾や化物を殺すほどの威力を持つ武器を使用してしまえば地盤が崩れてしまい、正に大自然の地震と同じ様な状況に陥ってしまうのだ。


だから化物大発生は防ぐ事は出来ず、ほぼ確実にこのイベントは発生する。


そして、あろう事か、この情報は一か月程前になると、上層部は環境機関からの定例報告にて『空母戦蟲』の存在と狩人協会本部へと化物を排出する可能性がある事を知る。


上層部はその情報を知った上で対策をせず、狩人協会本部を捨てる決意を取った。


そして情報を部下である狩人たちに告げず避難してしまう為に、『空母戦蟲』が出現し化物を放出、それに対して対策が遅れ、奇襲を受けるかたちとなる。


この大事件を、俺は他の狩人に話すべきかどうか迷った。

なぜならばそれはまだ上層部も知らない情報である。

それを周囲に漏らしても、信じてくれない可能性があるし。

その情報を上層部が聞いてしまえば、まずは警戒するだろう。


そして改めて詳細な情報を察知してしまえば、事前に噂を流していた狩人が何者であるか疑われる。

そうなれば俺は上層部に捕まり尋問なり拷問なり洗脳なり受けてしまうだろう。


そうなってしまえば誰一人助けることはできなくなる。

ならばどうするか。

化物大発生は免れないならば戦力を蓄える他ない。

そしてゲーム本編ではある協会本部は化物達に言って陥落されるのだ。

その未来を変えるために。俺は何としても力を欲していた。

俺にとっての最低勝利条件は狩人協会本部の死守である。


狩人協会本部が陥落すれば…その後に待ち受ける『鏖ルート』へと突入してしまう。

『なれど狩人は化物を喰らう』にとって最大最悪のバッドエンド。


なんとしてでも、俺は『狩人協会陥落編』を乗り切らなければならなかった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る