第27話 やる気

「じゃあ朝倉がお目当てのスキルも手に入れた事だし帰るか」


「お目当てのスキルじゃないんですけど?」


「なんか街の神殿とかあったら転職できるんじゃね?」


「なんでさり気なく盗賊にしようとすんですか?」


「もしなんか冒険者のパーティ名みたいなの決める時が来たら『朝倉盗賊団』とかにしようぜ」


「依頼受けれなくなるじゃないっすか。街から出禁ですよ名前だけで」


「いいアイデアだと思うんだがな……」


「ぶん殴りますよ先輩」


「まぁ冗談は置いておいてだな、どうする?帰るか?それとももうちょっと探索するか?」


「うーん……なんか今日はもうやる気なくなっちゃいました。ご飯食べて帰りましょう先輩」


朝倉はそういうとひのきの棒一号をその辺に放り投げて肩をすくめた。まったくよ。こいつちょっと飽きっぽいところあるんだよな。嘆かわしいぜ、もっと熱くなれよ。


「じゃあ新スキル取得祝いするか。肉は朝倉のおごりで」


「……いいっすね!なんとお肉ならさっき狩った豚さんのお肉ありますよ!豚っすよ豚!」


「森で仕事してたら不幸にも蛮族に襲撃されて殺された善良な木こりの肉な」


「オークっす!!だれが蛮族ですか!!」


「豚肉が手に入ったからあとは鳥と牛だな」


「唐揚げ食べたくなってきました」


「そんな事言ったら腹減るだろ」


「オークのお肉って美味しいんすかね」


「さぁな。まあ食べてからのお楽しみだろ」


「それもそうっすね」


そういって、俺たちは食事の支度を始めた。

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