なんでもない私の日常

碧海 山葵

プロローグ

プレゼント

誰かからもらった。

そのことは覚えているのに、

誰からもらったのか、とか

なんでもらったのか覚えていないことが

よくある。

それでも妙に大切にしていて

ずっとベッドの脇に飾っていたり

ポーチに潜ませていたりする。


失礼な話だなあ、と思うけれど

もちろん逆もある。


これはあの人がこの日にくれたものだ、とか

くれるときそっぽ向いていたな、とか。

妙なことに、そのときの自分の服装や

その日の天気、どこを歩いていたか

何をしていたのか、まで覚えているときもある。


でもやっぱり

何でもない日に唐突にもらう

言ってしまえばくだらないもの、

生活する上で必要のないものが

手元にのこる。


なんでもない、

愛すべきがらくた。


よくわからない置物、

意味のない歌詞

とげが異常にのびたサボテン。


そんなものが大好きな

どうしようもない私の

なんでもない日記。


1日1曲。

その日の気分に合わせて。


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