人を勝手に神の座へ祭り上げてしまうことの罪

 図書館での色の白い彼と出会い、それからの日々を描いたお話。

 ちょっとした日常のワンシーン、と、少なくとも傍目にはそうであろうはずのお話。
 ただしその日常を綴った主人公の視点の、その内面というか主観的な感覚が途轍もない。

 白い肌への執着、あるいは傾倒というか、なんだったら倒錯と言っていいその情熱!
 きっと小さな片思いの恋の物語のはずが、でもその対象を簡単に神の座に祭り上げてしまう、その主人公の感覚そのものが楽しいお話でした。