第10話

「へぇー。なるほどね」


「あ、あとあと!

兄貴が女に興味を持つよーにって企てもあんのっ」


「あん?」


「し、心配してんの!!

兄貴は高一にもなって彼女もいないし?

服装にも気を遣わないし?髪型も適当だからっ!ちょっとイケメン兄貴みたいになって欲しくてさー」


「あーなんとかなるかもしれんな

それについては」


俺は振り返ってトウコを見た。


中学時代、登校拒否してたハンデがあるのか、

その負い目があるのかわかんないけど、

トウコだけは別格だった。

他の三人と、アイリに関しては更生させなきゃだけど、トウコの目は真剣そのものだったから。

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