-Winter 後編-タイムリミット、温もり、本当の気持ち-2

 彼との旅行から数日後、俺の気持ちには、ぽっかりと穴が開いていた。


 迫る彼とのタイムリミットに俺の気持ちは、どこか冷たくなっていた…だっていずれ、捨てられちゃうんだもん…


 それと合わせて、俺は翼さんへの思いが強くなってきていて、気持ちも動き始めていたのかもしれない…


 そんな時、携帯のバイブレーションが俺の心臓の鼓動のように、ブルブルと大きく振動して…


《ねぇ、傑くん?今週の週末、空いてる?》


 翼さんからのメールだった…なんでかな…すごく、翼さんのメールにホッとして嬉しくなってしまう俺がいたんだ…


《何も予定ないですよ?jubeat行きますか?》


《うん、いいね!行こう!で、夜は暇かな?》


《1日、暇ですよ?うち、来ますか?》


《うん、行こうかなっ?S軍の話もしたいし》


 ちょっとこの辺りで、S軍の仲間同士で亀裂が入り始めていて、人と人との付き合いは、やっぱり難しいところも出てくるわけで…


 そろそろ解散してもいいのかな…?そんな事を俺と翼さんは話し合っていたところだったんだ。


《ゆっくり、今後のことを決めていこう》


 翼さんも、俺と打ち合わせをしたかったみたいで、週末に俺らは2で会うことにしたんだ。


 ◇ ◇


 -週末

 この日は大寒で、俺たちの住む町も、いつも以上に寒い日だったんだ。


 いつもの拠点でjubeatを楽しんだ後、俺らは拠点を後にすることにしたんだけれど、外に出て…


「さ、さっぶぅいっ!!」

「傑くん、ほらっ!マフラー忘れないでよっ?!」


 そうだ、ちょうど1年ぐらい前に…マフラー忘れてますよ?の声がけで翼さんに出会ったんだ…そして今年もまた俺は、マフラーを忘れていたんだ。


「あはっ!去年もこんなことありましたよね!」


「そうだね、それが俺たちの出会いだったんだよね…!」


 時が過ぎるのは、あっという間なのに…この1年で…俺も翼さんも何かが変わったのかな…?


 きっと…何かが変わったはずなんだ…


 俺らは寒さにも負けずに、笑いながら家へと向かっていったんだ。


◇ ◇


 -家に着き


 俺たちは、遅い夜ご飯を食べながら、今後のS軍を、2人でどうしていくのか真剣に考えた。


 結論は、今月で解散…


 仕事とプライベート、そして軍団の管理は、正直かなり大変だった。


 でも、色んな出会いが出来たS軍…

 この出会いをこれからも大切にしていきたいし、S軍が無くなったとしても、この繋がりは決して…切れることは無いと俺らは信じて…解散の決意をしたんだ…


「翼さん、本当に今までお疲れ様でした…」


「いや、傑くんこそ…支えてくれてありがとう…君が副リーダーだったから、ここまで来れたと思うんだ…」


「…あ、ありがとう…ございます…っ///」


「…S軍が無くなっても、俺たちは俺たちのをこれからも大切にしていこうね…?」


 その言葉に…ああ、ほんとに…終わるんだな…と、そんな少し寂しい気持ちもあったけれど…それは、翼さんに悟られてないといいな…なんて、心で思っていたんだ。


「…あれ?!もう、こんな時間?!」


 気付けば、とっくに00時を越えていて、帰ろうと思えば、帰ることも出来ただろうに…


 翼さんは「傑くん、今日さ…泊まっていったら…ダメかな…?」

 なんて、俺に少し照れながら伝えてくるから…拒むことなんか出来ない…いや、違う…!拒みたくなかった…!だって、そばに…いて欲しかったから…


「…もちろんです!布団あるので、大丈夫ですよっ!」


 と…急遽…翼さんが泊まっていくことになったんだ…な、なんだ?この展開?!

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