第6話ガスト記念日


二人の『初詣』以来、

私達はちょっとしたスキマ時間に、

お茶したり公園を散歩したりした。


お酒を飲まずに外で会うのは新鮮で、

この日はガストに入った。

ファミレスで異性と会うなんて何年ぶりだろう。


「では我々は、付き合っているということで、

今後、俺はマホの彼氏という意識で行動していきますね。どの様な関係性であれ、

マホは一番特別で大切な人です」


真っ直ぐ目を見て言葉にしてくれた。


半分こしたチーズハンバーグの味は

世界一だと思った。


彼の医学部への挑戦は、

これまでのままならない自分を全て許すための戦い、いわゆる過去との聖戦だという。


私も中途半端な自分と決別するために

もっとお金を貯めて経済的に自立したい。

資格を活かして転職活動も始めてみよう。


彼は私に一歩踏み出す勇気をくれた。







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