第15話 衣替えは可愛らしく~

11月の夜は冷えるわけじゃないけど肌寒さがある。

コンビニに行けば、おでん・肉まんなどホットスナックが人気なり売り出されるようになる。

街を歩けば、女子高生はスカートの下に温かそうなタイツを履いていたり可愛らしいマフラーを巻いていたり、駅で見かける服装もコートやニットを着ており先月とは違った世界観が広がっていた。


「季節の移り変わりなんて今まで、気にしてなかったのにちゃんと見てみると順を追って変わっていっているんだよな・・・」


今まではただ、暑いから・寒いからとしか考えていなかったが、今こうして女装を楽しんでいると違う視点で季節を見ることができる。


寒い時期に合わせたファッションとコーデ、メイクも大切。夏は涼しげな水色とかが季節的に会っていたのかもしれないが、冬でその服装だと少し違ってくる。黒やグレーなど地味目な色とか、明るいピンクよりもくすみピンクのほうがいい。

そういった違いが一つ季節が変わっただけで違ってくるのが見ていて楽しいし、勉強になっていた。


(今持っている物って結構、秋物系だからな。これからの時期に着るにはちょっと肌寒いかも。さて、どういったものを買おうか・・・)


買う前に注意しておかなければいけないのは、『自分にとっての理想像』だ。こういった色の服を着たい、スカート・ワンピースを着たいなど自分なりに想像をしておかないと、無駄遣いを重ねてしまい着ない洋服をため込んでしまう。それは少しでも避けていきたい


「やっぱり無難なニットコーデにした方がいいかな、、、いや~でも」


ここ最近わかってきたことがある。それは僕自身、直感的な動きをするんだなということだった。たとえはやり物であったとしても、自分の感性にピンと来なかったら興味を示さない。逆も然りで、流行ではなかったとしても自分にとっては、今すぐにでも身に着けたい・ほしいものとして判断していることだった。


「とりあえず今日は買うのはやめよう。もしかしたら、他の日にいいものがあるかもしれない」


無理して買う必要もない。とりあえず、コスメを数点購入し家に帰った。


・・・・・・・・・・


帰宅して食事とお風呂を済ませた後、買ったコスメを整理していた。数か月という短い期間だが、コスメポーチはパンパンで何個かクローゼットに転がっている。


(もう来年は12月か・・・大掃除したほうがいいのかな、でも何を捨てていいのだろう)


一つ一つに、思い出はもう薄れてしまっているがそれでも買ったおかげで今が充実している、そんな単純な事にふと笑いがこみあげてきた。


(少し整理して寝よう・・・ん?誰からだ、、、新田さんじゃないか)


テーブルの上に置いていたスマホに通知が鳴る。画面をつけて確認すると、そこには新田さんの文字があった。4~5件のメッセージの中に写真とURLが貼ってある。すぐにトーク画面を開いてみた。


『お疲れ~!君島くんちょっといい?』


『まだ女装続けているよね?さっき適当にネットサーフィンをしていたらこんな可愛いの見つけちゃった!」


『写真を添付しました』


『めちゃ可愛くない?ロリィタ系?いうのかな、女の子らしい洋服がいっぱいあって可愛いんだよ!是非とも参考にしてね!あ、買ってみたら私に見せてね?笑』


トークの最後にそこのURLが貼ってある。さっそく開きサイトを確認するとピンクやハートがたくさんちりばめられているフェミニン感満載のサイトだった。


「すごい・・・こんなに可愛い洋服があるなんて」


スカートにワンピース、それ以外にも靴やソックスなども可愛らしいものしかなく見ても飽きないほどだった。


「値段も手ごろだし、オンラインしかないのかな。別にいいんだけどお店があれば行ってみたい・・・」


店舗名を調べてみる。オンラインショップが検索ワードで一番上にきていたが、すぐ下にショップリストの文字があり確認すると新宿に店舗があるのがわかった。


「いってみるか。何もなくても楽しめるだろうし、、、」


僕はお店の問い合わせ欄に詳細を記入し後日、そこのお店に向かうことにした



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